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『…先生はまだ来てないのか』
ベッドの上で寝息を立てる彼。…何とか…、もう命がけで運んできたら、案の定先生はいなくて
でも彼をこのまま放っとく訳にもいかずに、隣の椅子に腰かける。
悪いと思いつつも体調が気になって脇に体温計を挟めば、38.6の文字。どうりでしんどそうな顔をしている。顔が火照っていて、汗ばんで……。これだけの考察なら私が変態っぽいが、間違いなく一ノ瀬君は風邪で自分は一切変なことはしていない。うん。
(…終業式出れないな)
先生が来るまで彼の横で待って居よう。
この調子だと早退は免れないな。
うきうきで冬休みを待っていたが、どうせ友達少ないし去年と同じように真冬ちゃんに愚痴を垂れ流すんだろうなぁ。いつもありがとう真冬ちゃん。
『青春したい……』
「…A」
『イケメンな彼氏がほじい”ぃぃぃぃ!!』
「…………………」
『え、待って一ノ瀬君何で起きてんの』
「俺も青春したい」
『まさかの仲間』
声がして見ると一ノ瀬君が薄っすら目を開けていた。ていうかその半開きの状態でも私より目デカいとはドユコト。
『あああ忘れてた君病人だった。
………しんどくない?』
「何もなかった様な真顔やめて。……だいぶ楽」
『そかそか…ん?』
思い返せば私が「青春したい…」といった時には彼は私の名前を呼んでいた
イケメンな彼氏が欲しい
という雄叫びも全て聞いていたと…?
『何も言わずに今すぐ首を飛ばしてください』
「いきなり何言い出すの。…青春したいんでしょ?俺もだけど」
『あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”やっぱ聞いてたぁぁぁぁああ』
頭を抱える。すると目の前のベッドに起き上がった一ノ瀬君は少し考える素振りを見せた。
うん。よかった顔の赤みが引いてきてる………
自分の中でほっとひと息つけば、ぎしっ、と音がしてそちらに目を向ける。
驚く間もなく鼻と鼻がくっつきそうなほど顔が近づいて、同時に香るシャンプーの匂い。匂いに合わせて目の前の彼が口角をあげた。
「俺と青春、する?」
ダンっと音がして視界が天井に切り替わった。正しくは
私が椅子から落ちた。
『なっ、なななな何言って!絶対熱でおかしいよ一ノ瀬君!』
「そう?…あ、うんしんどいかも」
『はよ寝ろ!』
急いで椅子に座り直せば、もう寝た。早い。
そしてね、言わせて。
なに言ってるの彼は。
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ポン酢 - ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁそらるさんと青春?めっっちゃしたいぃぃ (2018年11月13日 20時) (レス) id: 0d659a75c1 (このIDを非表示/違反報告)
*Amu* - わぁ〜いい!めっちゃいい!更新頑張ってね! (2018年10月13日 23時) (レス) id: 345a321188 (このIDを非表示/違反報告)
*Amu* - まんぼうコロッケさん» そういえば、名前戻りましたね。 (2018年10月7日 19時) (レス) id: 345a321188 (このIDを非表示/違反報告)
*Amu* - た、ため口OKです! (2018年10月7日 19時) (レス) id: 345a321188 (このIDを非表示/違反報告)
*Amu* - わぁ〜家よりも厳しいwフレ=フレンドです。 (2018年10月7日 19時) (レス) id: 345a321188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まんぼうコロッケ | 作成日時:2018年9月22日 16時