あの日見た夢の為に (ページ18)

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第18話ページ18

トン_____トン_____________

ゆっくりと静かな足音がそれぞれの個室を通る一本道の廊下に響き渡る

廊下は少し暗く、夜空の月の光が窓から差し込む

全ての個室が真っ暗になっているが、１つだけ明かりがついていた

その足音は、その１つの部屋のドアの前で止まった

足音の主はそのドアノブに、手をかける

そして、ゆっくりドアを開けた

調「まだ起きてたのね、どうしたの？」

一言、声をあげたのは_____

調香師のウィラ・ナイエルだった

そして、足音の主は_____

傭「お前に聞きたいことがあってな」

傭兵のナワーブ・サベダーだ

調「いいわよ…で、なに？」

ウィラは本を読んでいたのか、たくさんの本が床に重ねて置いてある

本の隣には、本棚と香水だらけで埋め尽くされている

傭「聞きたいことがあってな」

調「聞きたいこと？」

ナワーブの言葉に、ウィラは少し首を傾げた

傭「あぁ、Aの名前の由来を聞きたくてな。俺はまだ納得していないから」

みんなで食事を食べるときに少女の名前をウィラが決めていた、が、たしかにナワーブだけが賛成していなかった

調「なんでそんなことを…まぁ、いいわ。本よ」

傭「…本？」

調「えぇ、昨日ね…本棚の奥に見たことのない本があったの。その本を読んだら結構興味深くてね…日記みたいだったの、多分2人が書いた本なのよ。あと一冊あれば辻褄(つじつま)が合うのだけれど…見つからなくて探してたところよ」

傭「な、納得はいかないが…聞けたからいいか、邪魔したな」

ナワーブはそう言って、部屋を出ていった

調「さて、私も寝るかな」

ナワーブが出ていったあと、ウィラも部屋の電気を消して就寝した

ウィラが見つけた日記と思われる本は

今後、少女の運命を変える

鍵となるだろう_____＿