お嬢様な君と執事な俺 (ページ6)

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06. ページ6

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Sho side.

いつもはうちの使用人にAを迎えに行かせて、俺の家で合流するんだけど

今日は何となく俺が自ら迎えに行きたくて行った

Aと廊下を歩いていたら、目の前から歩いてくる一人の執事。

俺はその姿に見覚えがあった。

目の前に立ったその執事は、予想通り知っている奴

数年前に俺の、いや俺達の前から姿を消した廉だった。

姿を消した、と言うよりも
夢を叶えるために旅立った。

そう言った方が正しいか。

そして今自分の婚約者であるAの元に居るなんて想像はしてなかったけれど

『A、さっきのはAの執事？』

静かな大人な雰囲気の漂う夜景の綺麗なお店で食事をしている時、俺は口を開く。

黙って頷くだけのA

あの時、俺は見逃さなかったんだよ

Aの廉への視線と廉のAへの視線が
お嬢様と執事の関係以上のものに見えた。

だから、

『彼が好き？』

黙って静かに食事を取る彼女に聞いた。

「っえ…、」

明らかに動揺する彼女に全てを悟った。

もし婚約者がAじゃなかったら、ここで俺は解消と言う言葉で解放していたと思う。

だけど彼女を愛してしまっている俺は、そんなことは出来ない。

『…だとしたら、彼は、彼だけはダメだよ。』

廉だけは、どうしても許すことが出来ないんだ。

だって廉は、俺の実の弟だから。

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