お嬢様な君と執事な俺 (ページ9)

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それから中学生になった俺は執事になりたいと強く思うようになった

「ダメよ貴方は平野の子なんだから！」

「執事なんてなりたくてなるようなものじゃない」

両親はそう言って猛反対。
まあ自らが使用人の立場になると言い出したんだから当たり前に反対するだろう

でもそれでも俺は、どうしてもなりたかったから

親の言葉を無視してひとり、平野を飛び出した。

それからは勿論、行く宛もなかった俺はどうやって執事になるかも分からない状況で生きるためにアルバイトをしながら過ごしていた

そんな時に偶然にも通りかかった馬鹿みたいに広い屋敷の中から、永瀬さんが出てきた

彼も同じようにあの時の俺だと気付いたみたいで、声を掛けてくれた

『永瀬さん！その節は助けていただきありがとうございました！』

「おー、あの時の平野の坊ちゃんやん
こんな所で何してんねん
また猫でも助けてるんか？」

からかうようにそう言った永瀬さん。

『いえ…実は俺、平野の家を出たんです』

目を見開きびっくりした表情を浮かべる

「びっくりやな…またなんでそんなことを」

チャンスだと思った。ここで永瀬さんに弟子入りさせてもらって、執事になろう。そう思った。

『俺、あの時からずっと執事になりたくて…
お願いします！俺を執事にしてくださいッ！！』

凄い勢いで頭を下げたと思う。
それくらい必死で本気でなりたかった。

そんな俺を見た永瀬さんは、あほやなあと言った。

そのまま平野のボンボンとして過ごせば苦労なんかしないのに、自らイバラの道に進もうとするなんて

暫く動かずずっと熱意を示していれば、優しい彼は呆れたように俺を受け入れてくれた

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