【実況者】怪盗レトルト参上!! 3品目 【主に平和組】

捜査ファイル２５ ページ25

「…落ち着きました？」
「ごめん…。ありがとうございます、」


待合室。
そこに移動して男性が落ち着くのを待った。

男性は持っている缶コーヒーを一口飲んで、溜息を出す。
私も買ってもらった缶コーヒーを一口飲む。


「初対面の人に言うのも可笑しいと思うんだけど…さ、」

「俺、仕事のせいで家に居ることが少なくて…。
　だから、母ちゃんが不安だから母の方のばあちゃんの家に行ってもらおうと思ったんだけど。」


拒否されちゃった、なんて言って恥ずかしそうに笑う。
私は、さっき病室で話をしていたことを思い返す。


「聞いていいのかわかりませんが、さっき旦那様もどこかに行ってしまったって…。」
「あぁ、そのこと？」


良く聞いてたね、なんて言って話してくれた。
結構精神に来てるんですね。


「俺の父ちゃんもさ、早いうちに家を出ちゃってさ。俺が…小3のころ？
　その後はずっと母ちゃんが俺の事育ててくれて。」


独りになるのが怖いんだろう。
なんて言って、目を伏せる。


「このままでいいんですか？」


私がそう言うと、男性はそう言われると思っていたのか首を横に振る。
そして、すっと立ち上がり


「ありがとう」


なんて言って病室に走って戻って行った。
…私も帰ろうかな。
なんか、大切な人の顔見たくなっちゃった。

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