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ジェシーside
2人が新婚旅行先で亡くなったって連絡を受けてからの俺の記憶は曖昧だ。でもものすごくパニックになって大泣きしたのは覚えてる。
呆然としてる俺を励ましながらこーちが色々と手続きなんかに奔走してくれてたのも覚えてる。
こーちだって悲しいだろうに、泣いてる姿は一切見なかった。そんなこーちを見てて俺って本当ガキだなって思った。情けない。
新婚旅行に行く1ヶ月くらい前からみんなで住んでいた家も色を無くしたように冷たい。
俺は毎日散々泣いていたけど、父さんと母さんの葬儀も終わって少しホッとした頃。
(この時に学校の皆には親同士が再婚していたって事はバレてしまった)
こーちがリビングで届いた郵便の整理をしていた。あまりにも忙しくて郵便受けに入れっぱなしになっていたものだ。
するとこーちは1枚のハガキに釘付けになっていた。
ジェ「どした?」黙ってハガキを渡される。
それは父さんと母さんが旅行先で撮ったであろう写真をハガキにしたもの。そこには
「この4人で家族になれて幸せです。これからもたくさん楽しい思い出作ろー!」
ていうメッセージと共にとびっきりの笑顔でジャンプしている2人が写っていた。
グッと来てまた泣きそうになった俺はこーちを見て驚いた。
肩を震わせてこーちは佇んでいる。
ジェ「こーち。」
こーちに近付く。すると俯いた伏し目がちのこーちの目から涙がこぼれ落ちたのが見えた。
ジェ「こーち。」もう一度呼んで向かい合わせで両肩を掴んだ。
顔を上げたこーちの瞳から次から次へと涙がこぼれ落ちる。
優「ごめっっ・・・・・。ごめん。」
俺は馬鹿だ。こーちは頑張ってたんだ。泣いてばっかりいる俺を励まして、泣きたい自分を奮い立たせて頑張ってたんだ。今頃気付くなんて俺は本当に大馬鹿野郎だ。
俺は10cmくらい背の低いこーちの頭を片手でそっと包み、もう片方の手で背中をぐっと引き寄せた。普段だったらこんな事は出来ないけど、こーちを慰めたい一心で抱きしめた。
ジェ「俺こそこーちに甘えてばっかりで気づかなくてごめん。いっぱい泣いていいんだよこーち。俺たち家族なんだから。気ぃ張らなくていいんだよ」
優「ごめん、ジェシー。ごめん。」
こーちの両腕が俺の背中に回る。その後俺の肩に顔をうずめてこーちは大声で泣いていた。
ずっと我慢してたんだね、こーち。ごめんね。
こーちの温もりを感じながら、彼への愛しさが溢れて来て、俺はこの人をずっと守って行こうって思ったんだ。
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櫂(プロフ) - ヨッシーさん» ヨッシーさん!コメントありがとうございます!作品読んで頂いてありがとうございます!とっても嬉しいです(^^)さて、ここでは詳しくは言えませんがヨッシーさんが18歳以上であれば、「設定」の1番下の方の設定を変えて頂ければ「手紙2」もよんで頂けると思いますよ。 (2020年9月17日 7時) (レス) id: 7e2afa0867 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - 櫂様へ はじめまして、こんばんは!いつも素敵な作品を読ませていただいておりますm(__)m『手紙2 〜君への想い〜』はR指定なのですよね?どうしたら読む事が出来るのか教えていただけたら嬉しいです!是非宜しくお願い致しますm(__)m (2020年9月16日 23時) (レス) id: c200c5a351 (このIDを非表示/違反報告)
櫂(プロフ) - ventさん» ventさん、暖かいコメントありがとうございます!私の拙い作品を読んで頂いて本当に嬉しいです!手紙は1番初めに書いた作品で読み返すと至らない点もあるのですが今回どうしても続きを書きたくなってしまいました。楽しんで頂けたら幸いです。今後も更新頑張りますね! (2020年8月5日 1時) (レス) id: 7e2afa0867 (このIDを非表示/違反報告)
vent(プロフ) - その後を読むことができて嬉しいです。緋色の月、ひまわりも読ませていただいており日々癒されております!櫂さんの書かれる少し切なくもある暖かい文章が大好きです。更新楽しみにしております!蒸し暑く過ごしにくい時期ですがご自愛くださいませ。 (2020年8月4日 23時) (レス) id: 2876756369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:櫂 | 作成日時:2020年6月19日 2時