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自由、といえばこの空間をぶち壊す自由人は他にもいてなかなかに困っている。
「おはよ〜……」
「佐久間おはよう」
「あべちゃ〜〜ん」
「うわもうくっつくなって。コーヒー零すでしょ」
むにゃむにゃと右手で目を擦り左手でお腹を触りながら起きてきたのが、その張本人
まだ眠たいのかぼーっと突っ立ったままふらりふらりと船を漕いでいて多分いつか倒れる
「……うわ。佐久間危ない」
「おっと……佐久間、さくま」
「ん〜〜〜……」
照くんとだてさんが並んで起きてくるのも珍しいけどそれよりもみんなの視線はこの自由人に向いている
さっくんは野性的本能が人より優れているらしい。故に、感情に素直だ。喜怒哀楽も分かりやすい。
意識がはっきりしていないときこそ、危険だ。
「……ん。んふ チュ〜」
「おいっバカっ！佐久間！辞めっ、」
「えへへ」
「オエッ……まじ最悪な目覚めなんだけど。」
……彼は、キス魔である。
照くんの唇を奪ったさっくんは突き飛ばされだてさんの胸に収まるとまだポヤポヤと眠たそう
愛情表現の距離感がバグっているのも昔からだと。
この行為は8人全員が遂行済みであるが彼に悪気はこれっぽっちもないため怒るに怒れないとぼやいていた
だてさんの瞳は紅緋色の鋭い力で未だに少し緊張する。ニコニコと微笑んだ仮面は崩さずさっくんの額を人差し指で弾く
「いっ……た〜〜！」
「おはよう。佐久間」
「……およよ？涼太じゃん！あれ？あべちゃんとおはようってしたはずなのに」
「ふふっ 俺の薬は効き目抜群みたいだね」
「げ〜、また勝手に俺のペットボトルに薬溶かしたの〜〜！？」
「佐久間が一番色々なものに耐性があるから効果を試すのに最適なんだよ。ね、阿部」
「人体実験の価値はひと握りだよ、佐久間。」
恐ろしい言葉が飛び交うのも日常なのだ。
だてさんの趣味は料理だ。その延長線だと、たまに仕事に役立つからと、色々な薬を試作したり合成したりしている。
その多くはさっくんを基本に作られていて効果の度合いはさっくんの状態によってSランクから没まで様々
その瞳に何を宿しているのか、……逆らえない人だ。
「……今度は宝石か」
「そう〜〜誰か行きたいやついる〜？」
照くんの独り言にふっかさんが返事をする。
ヘッドホンをして戦闘ゲームに夢中な、ふっかさんが。
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作者名：usagi
| 作成日時：2020年11月22日 19時
