逢魔時にご注意を。 (ページ13)

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「ねえねえ～俺も行っちゃだめ？」

「「駄目」」

「ぶぅ～～……」

もうすぐ現場付近、赤信号でさっくんの運転する車は止まる

さっくんは野性的本能が優れている、と言ったけど一番現場に出て依頼をこなしているのは確かだ。

……ただ、と8人が依頼を選定するのにはちゃんとした理由がある。

「さっくんと現場行って血ぃ見いひんことないもん」

「お前がインカム無くして取り戻るのめんどい」

「俺らはあくまで依頼品を盗みに行っとるだけやで？誰も戦闘不能になるまで懲らしめろ～なんて言うてへんやろ？」

「俺らが手を下せんのは依頼主に" 殺ってほしい "って頼まれたときだけ。」

「さっくん？さっくん聞いとる？」

というように、さっくんは感情に素直なため1度ブチ切れると手が付けられないほど相手をめっためたにしちゃうそうだ

後部座席に座る私たちからはさっくんの目元しか見えない。康二くんと照くんにあれやこれやと言われベラベラと話していたさっくんは途端に静かになってしまった

無言で止められた、現場前の道端

先程車内の空気なんか露知らずなふっかさんからここで待つよう指示が入っていた

周辺状況をふっかさんに伝えるため照くんと康二くんが先に車を降りる

『……ねえさっくん』

「ん～～？」

『次、私が参加できる依頼があったら……さっくんと一緒にやってみたいなあ…って、』

「……無理じゃね？俺とAは一生組むとか」

『そう、かな……』

気を使ってこんなことを言ってると思われてるのだろうか……意外と本心だったのに、なあ……

すると運転席からこちらを向くさっくんは眉毛をこれでもかって下げた寂しそうな表情だ

「俺もアイツらもAのこと護りたいから、だから組ませないと思う。……ほんとは俺だってAと現場行ってみてえけどさ……分かってほしいな」

『……』

「……うりゃ！」

『にゃ、にゃにす、』

「依頼主のために今は取り返すことだけ考えなさい」

少しだけ無理をした、でもいつものようなさっくんの笑顔

ジッ……ジーッ…

「、…A？準備いい？」インカムからふっかさんの合図が聞こえてさっくんと目が合う

「合図あった？」さっくんの問いかけに頷くとセットした髪の毛が崩れないように頭を撫でハンドルの下にある自動ドアの開閉ボタンを押した

外で待つ照くんと康二くんはとっくに仕事の顔だ

「盗られたモノ、ちゃんと取り返してくるよ」

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