逢魔時にご注意を。 (ページ11)

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依頼から3日経った今日が決行日となった。

盗みに入るのは私と照くんと康二くんだけど当然完全犯罪には外からのサポートが必要不可欠

大量のPCの前に座って宝石を盗んだ悪党の情報を集めているのは翔太くん

部屋の間取りや監視カメラを設置するならどの場所か、最短ルートを割り出すのはあべくん

「あーあー…全員聞こえる？」インカムからふっかさんの声が届く。今回の指示役はふっかさんのようだ。

" 役割を固定してしまうと行動がマンネリ化していつか必ずボロが出る。足跡を残してしまったら俺らのやってることは終わりなんだ。 " 最初にあべくんに教わったことだった。

「はいAちゃんはお着替えに行くよ～～」

『あ、ちょっとラウくん』

「今日の現場はすこ～しドレスアップが必要だからね。コーディネートは俺にまかせて？」

バチンとウインクをする彼は自分よりも年下なのだとやはり思えないなあとタジタジとなる

ラウくんはこの中では最年少でこの国では少々珍しい綺麗な顔立ちをしている。

「これなんかかわいいなあ～」「あ！これもいい！」一部屋丸々っと衣装部屋になった一室でラウくんの高めの声がよく通る。

「観察眼に長けた奴だよ、アイツは。本当によく人を見ているし人の心の中を考えてる。だからアイツの前では嘘がつけないしアイツも常に本音でしかない。俺は一番アイツが怖いよ。」

まだ出会ったばかりで依頼を受けていない私に非番だった照くんはふふっと笑いながら話してくれた

「Aちゃ～ん」

『はあい』

「はいこれ！これ絶っ対かわいいから！」

『……私に似合う？』

「Aちゃんの可愛さに悪党たちはメロメロかなあ！だって俺の見立ては間違いないからね！」

また、バチンとウインクをしてくるラウくんに可笑しくなって笑う。

じゃあ～先行ってるねえ。と衣装部屋を出ていくラウくん。……まじまじと預けられた衣装を見るけど、やっぱり浮く気がするなあ

着替えてそぉっと共有スペースに顔だけ出すと照くんと康二くんは黒のタキシードに着替え終わっていて驚くほど様になっている

「あ！A姫お着替え終わった～～？」

『うわ見つかった、』

「どう？スーツ似合う？今日は佐久間さん運転手なんだよ～！」

『そう……すごくかっこいいね？』

「姫に仕える執事みたいでしょ～！ほらほらAもこっちおいで」

『あ、やっ…ちょっ！』

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