盤上レビュー！ １ ページ24
━━ スカラビア寮 空き室 ━━
side Yu
「今日はご機嫌カリムだったんだゾ」
「うん。今日は全然怒ってなかったね」
──スカラビアの寮生たちと特訓が終わって、僕たちはひとまず状況を整理するために用意された空き部屋で集まっています
「ええ。僕が知る”いつもの”カリムさんでしたね」
「機嫌が悪い時のカリムは、もっと目も釣り上がってて怖い感じで喋ってるんだゾ」
「──それは機嫌の良し悪し、なのでしょうか？」
「どーゆーこと？」
「カリムさんはフロイドのように気分の浮き沈みが激しい印象があまりないものですから…どちらかというとAさんのような朗らかな印象なのでもっと別の要因があるような気がして」
「確かに、Aさんと普通の時のカリム先輩って空気感が似てるかも」
「マジフト大会と期末テストの寮順位が悪かったせいだってジャミルは言ってたんだゾ」
「え〜？ラッコちゃんってそんなの気にするの？」
「ラッコ？」
「カリムさんのことですよ。フロイドは海の生き物になぞらえたあだ名をつけるのが好きなんです」
「ああ、だからAさんのこともクマノミちゃんって呼んでるのか…」
──この人、かなり癖強いな。今更だけど
「グリムくんのことも、丸々としていて愛らしいシルエットに親しみを込めて『アザラシちゃん』と呼んでいるそうですよ」
「”丸々として”が余計なんだゾ！」
──確かに、グリムってば最初に会ったときより丸くなったかも…トレイ先輩のスイーツに食堂のご飯食べてれば丸くもなるか
「ラッコちゃんは、いつも太鼓叩きながらニコニコしてるからラッコに似てるでしょ」
「そうですね。彼はいつも朗らかで、成績が悪かったくらいで情緒不安定になるタイプには思えません。やはり、原因は別にある可能性が高そうですね」
「でもさ、おかしくね？オレたちより長くここにいるクマノミちゃんはどうして動いてないわけ？」
「フロイドの言うことも一理ありますね。あまり関わりの無い監督生さんたちも異変に気付けたのに彼が気付いていないというのはおかしな話しです」
「だからここにAさんを呼ばなかったんです。
──彼が敵か味方か、判断がつきませんからね。なんにせよ、問題解決のためにカリムさんのことをもっと知る必要がありそうだ。ジェイド、少し彼と”お話し”してきてもらえませんか？」
「かしこまりました」
──それって、本当にお話しだけで終わるのかな…
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くぁ(プロフ) - 柊さん» コメントありがとうございます！たくさんある作品の中からこの作品を見つけてくれてありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！これからも面白いって言っていただけるようなお話を書けるように頑張ります！ (3月26日 20時) (
レス) id: 102ec264b3 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - 初コメです！寮長兼船長シリーズお話の一つ一つが凄く面白くて最高でした！！『寮長兼船長は、後輩をかわいがりたい』からここまで全部一気読みしました！船長が本当に可愛い♡更新楽しみにしてます！ (3月25日 19時) (レス) id: 93ad31f0d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くぁ | 作成日時：2024年2月16日 21時
