和解ビット！ ページ19
━━ スカラビア寮 東のオアシス ━━
「ぜぇ、はぁ、喉がカラカラなんだゾ。カリム、水を出してくれぇ〜」
「このオレに水を出せ、だと？お前、誰に向かって口を利いている！」
「ヒェッ！？」
『ありゃりゃ…グリちゃんやらかしちゃった感じか』
「オレはお前らの水道じゃない。水が欲しいものはオアシスから汲んでくるがいい」
──んんん！流石に無理があるよ、アルアジーム！魔法でも使わない限り無から有は作れないんだぞ！
「…この干上がったオアシスから水を汲めだって？」
「流石に横暴が過ぎるだろ…」
「寮長は本当にどうしてしまったんだ？」
「大丈夫だ。こんなこともあろうかと、ラクダに水を積んできてある。荷物を降ろして水を分け合え」
『ふっふっふ！俺も一肌脱いでやろうぞ！魔法使って冷やしてやるから俺のところ持ってきて！』
「ありがとうございます。ああ…ジャミル先輩が寮長だったら良かったのに…」
「！！滅多なことをいうんじゃない。カリムに聞かれたらどうする」
「だって、そうじゃないですか」
「カリム寮長がこうなる前から、寮長の仕事らしいことは、ほとんどジャミル先輩が…」
──寮生たちの不満も爆発寸前！どうしてアルアジームがこうなったのか原因を突き止めてなんとかしなきゃ
「A、頼めるか？」
『いいぞ！天才魔法士の俺にお任せ！』
──この炎天下じゃ氷は溶けちゃうだろうし、液体自体を冷たくするのをイメージして…
『はい、どうぞ！』
「冷たい！く〜！生き返る！」
「あんなにぬるかったのに…！」
『俺も一杯もらうね〜』
──まったく、あんなところに一人ぼっちで立っちゃって！
『そんなところに立って水も飲まなかったら熱中症になっちゃうぞ、アルアジーム！お水持ってきたから飲んで！』
「何だ、貴様は…近寄るな」
『うわ、ほっぺ熱い！ゾウの上だと太陽に近いから暑いよね。ほら、お水飲んで！まだ寮に帰るまで半分あるんだから！』
「気安く触るな。だいたい、なぜそこまでオレのことを気にする？」
『お水飲んでくれたら教えてあげる！』
「寮長になんて口の利き方を…！」
「A〜！大人しくしててくれ…！」
「……これでいいだろう。話せ」
『なんでもなにも、理由は一つ！アルアジームは俺の友だちだから。友だちを心配するのは当たり前でしょ？』
「ふっ…寮生集合！休憩時間は終わりだ！さあ、さっさと隊列を組め！」
「……」
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くぁ(プロフ) - 柊さん» コメントありがとうございます！たくさんある作品の中からこの作品を見つけてくれてありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！これからも面白いって言っていただけるようなお話を書けるように頑張ります！ (3月26日 20時) (
レス) id: 102ec264b3 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - 初コメです！寮長兼船長シリーズお話の一つ一つが凄く面白くて最高でした！！『寮長兼船長は、後輩をかわいがりたい』からここまで全部一気読みしました！船長が本当に可愛い♡更新楽しみにしてます！ (3月25日 19時) (レス) id: 93ad31f0d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くぁ | 作成日時：2024年2月16日 21時
