白黒パレット【怪盗キッド/黒羽快斗】

episode6. ページ6

「どうです、今日の調子は？」
「白馬君……同じ学校だったんだ。もちろん絶好調だよ」

転入して来てから二日目。初日はあまりクラスに目を向ける余裕がなかったから教室内を見回していたら白馬君に遭遇した。

怪盗キッド関連でよく協力していた彼。今度は此方が裏切ってしまうことになるけど、仕方ないよね。

「白雪さん……だよね？中森青子だよ、よろしく！」

ぱっと花が咲く様な笑顔を見せる彼女に笑いかける。容姿も良くて、顔がすっごく可愛い。

「青子ちゃん、でいい？」
「もちろん！」

凄く話しやすい人で、すぐに仲良くなってしまった。色々と雑談していると、青子ちゃんが白馬君と私を交互に見て。

「白馬君とAちゃんって、知り合い？」
「彼女はマジック破りが得意なんです。しばしば警視庁からキッド撃退の為に力を貸してもらっているんですよ」

青子ちゃんが目を輝かせる。罪悪感が凄い。あはは、と乾いた笑いをとばす。

「私のお父さん、警部なの！知り合いかな？」
「中森警部のこと？うん、知り合いだよ！」

嬉しそうに笑う青子ちゃんとじっと此方を見ている白馬君に申し訳なく思いながら話を切り出す。

「あ、えっと、そのことなんだけど……」
「ええっ！マジックに集中したいから警視庁との関係を切る！？」

音を立てて教室のドアが開き、快斗が顔を出した。どうやら今の声が聞こえていた様で、ふっと口元に笑みを浮かべながら。

「Aもマジック好きだから、怪盗キッドの方を応援したくなったんだよな」
「ま、まあ」
「そっかー……残念だな。でも、」

＿＿Aちゃんのマジックが見られるなら良いかな。

え、と零す。青子ちゃんって凄い良い子だ、と感心しつつこれからもマジック磨きを快斗としようかな、と感じた。

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