episode5. ページ5
放課後。
「このまんま、ブルーパロット行くぞ」
「ええっ?何で」
快斗は無言。ブルーパロットは小さい頃によく行っていたお店で、ビリヤードを盗一さんに教えて貰ったことがある。あの頃は楽しかったな、なんて。
快斗の横顔は、幼い頃の可愛さを少しだけ残しているが整っている。凄く格好良くなっていて幼い頃の恋心が再び蘇ってくるのを感じていた。
「ジイちゃん」
「こんにちは、快斗坊っちゃま。隣にいる女性はもしや……」
見覚えのある顔に、頭を下げる。
「白雪Aです。お久しぶりですね、寺井さん……!お元気でしたか?」
「おかげさまで。まさかA様とは思いませんでした。こんなにお綺麗になって」
「えへへ、ありがとうございます」
にこり、と微笑んでみせた。快斗がカウンター席に座り、脚を組む。
「んで、お前を呼んだ訳は」
寺井さんから貰ったアイスコーヒーを飲みながら頷く。快斗が何やらハンカチを取り出し、煙幕を纏った。
「__この怪盗キッド様の手伝いをしねぇかってことで」
右目についたモノクル、真っ白なシルクハット。純白のマントを纏ったその姿は紛れもなく怪盗キッドだった。驚きで口元を覆う。
「……かい、と?」
「俺だよ。驚いた?」
優しく快斗が笑う。らしくなく敬語を使っている怪盗の姿を思い出し、私も笑い返した。
「敬語、快斗らしくないね」
「……うっせ」
つん、とそっぽを向く快斗。何か他の人が知らない快斗の一面を垣間見れたような気がして、少し嬉しくなった。
「いいよ、助手。何か楽しそうだし」
よっしゃ!とガッツポーズをする快斗。その服装だと新鮮感があり、面白い。目の前にいきなり紫色の綺麗な花が出された。
「改めて、宜しくな。お前にあげるのはこの花がぴったりかなって思ってさ……ライラックっていう花なんだけど」
「ありがとう。大切にするね!」
寺井さんがおやおや、と意味有りげに笑ったが、何故笑ったのかはわからなかった。ただ快斗だけが寺井さんに突っかかっていて。
「笑うなよ、ジイちゃん……」
「微笑ましいですね」
何のことだろう、と首を傾げた。
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シルビア-Silvia-(プロフ) - つばき-tubaki -さん» ありがとうございます!!!自分でも書いてて叫びそうになりながら頑張りました(?)お褒めの言葉嬉しすぎます……!頑張りますね! (2019年6月9日 17時) (レス) id: 1b30589c5a (このIDを非表示/違反報告)
つばき-tubaki - - シルビアさんもHoneyWorks さんが好きなんですね私もです!!!アリサちゃんのセリフが出てきた時嬉しくて叫びました(笑)。Honey Works さんみたいに面白いです!更新頑張って下さい! (2019年6月9日 17時) (レス) id: 4f1f916ec6 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア-Silvia-(プロフ) - 天音さん» そうです!!!アリサちゃんのそのセリフが可愛すぎてどこかで使えないかなぁと思って入れました笑HoneyWorksさん大好きなんですよ……!!ありがとうございます、更新頑張りますね!! (2019年6月8日 23時) (レス) id: 1b30589c5a (このIDを非表示/違反報告)
天音 - 恋人になったんですね!ずっといつ告白するのかハラハラしてました。あの、もしかしてepisode41の「好きすぎて、やばい」ってHoneyWorksさんの「生意気ハニー」の高見沢アリサちゃんの台詞ですか?(違ったらごめんなさい)更新頑張って下さい(長々とすみません)。 (2019年6月8日 22時) (レス) id: d5e2e87506 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア-Silvia-(プロフ) - 美紅さん» お褒めの言葉ありがとうございます〜!これからもドキドキさせられるよう頑張りますね笑 (2019年5月1日 15時) (レス) id: 1b30589c5a (このIDを非表示/違反報告)
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