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*episode 心臓、もたねぇ* ページ45

「ん・・・・快斗?」

髪を梳かれる感覚で意識が浮上する。指を通していた名前の主がビクリと手を止め、済まなそうに眉尻を下げて口元に笑みを浮かべた。

「おはよ、A」
「おはよ・・・・」

重い瞼を擦り、口を押さえながら欠伸を一つする。だんだんと意識に掛かっていた霧が霽れ、今の状況を少しずつ把握していった。

昨日のことを思い出し、顔が火がついたように熱くなる。布団の中に再び潜り、いまいち理解の出来ないこの状況を飲み込もうと奮闘するが、無理な話だ。

「・・・・何でここに居るの?」
「母さんが朝食摂りに行ったんだけど、お前がまだ寝てるから一緒に居てあげてって言われて・・・・べっ、別にお前の寝顔を見たいとかそういう訳じゃねえから勘違いすんなよ」
「そこまで考えてなかった」

いきなりツンデレの様なことを言い始めた快斗をスルーし、布団から出る。枕元に置いてあったスマホを見、重大なことを思い出した。

「そういえばさ・・・・折角だから、今日は大阪観光に行かない?」
「どういう風の吹き回しだよ?別に俺も今日は暇だからいいけど」
「OK、決まりね」

髪を纏め、バレッタで留める。髪がいつもよりサラサラなのはきっと、快斗が手櫛で梳かしていてくれたからだろう。

「千影さんも来るかな?観光」
「ああ、母さんなら“邪魔者は退散するわね”とか理由が分からないこと言って空港に向かってったけど」
「・・・・え?」

やべ、と快斗が焦りの色を見せる。眉をひそめ、まさかと思い問いかけた。

「ここに来た口実って、嘘だったわけ?」
「あ、いや、その・・・・騙したのは悪かった。でも何もしてないし、するつもりもないから」
「ふうん?」

気を遣ってくれた千影さんに申し訳なく思いながらも感謝。上に着ていた寝間着をポイと脱ぎ捨てれば、快斗が顔を赤くして向こうを向いた。私はそれを見て僅かに笑う。

「持てって言っただろ、慎み・・・・」

“じゃないと俺の心臓がもたねぇんだって”

快斗が苦しげにそう呟いたとは、知らずに。

*episode 似てる*→←*episode 青春*



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シルビア@快斗君神推し(プロフ) - アイリスさん» ありがとうございます!快斗君格好良すぎて…… (2018年6月2日 12時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - 展開が甘酸っぱい…快斗に惚れ直しました(笑)これからも応援しています! (2018年6月2日 12時) (レス) id: b4b2c4fcf3 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - ピッピさん» ありがとうございます!応援に応えられるよう頑張りますね! (2018年5月29日 18時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ(プロフ) - 快斗ー!!めちゃくちゃカッコいいです!!10点連打機能がない占ツクを初めて恨みました…!笑 続きも応援しています(*^^*) (2018年5月29日 11時) (レス) id: d3db016fb1 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - MONOさん» ありがとうございます(^^♪ (2018年5月26日 18時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Silvia | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年4月23日 16時

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