第054夜 ページ5
暫くウエイターさんの顔を見ると私はニコリと笑う。
「いえ、少し人酔いしてしまって。
宝石は後で見に行くとします。1人でゆっくり、ね」
んー、と身体を伸ばしてはウエイターさんを見る。
地味な人だなぁ、と思ってしまった。
「それより、仕事に戻らなくていいんですか?
早く戻らないと怒られちゃいますよ?」
「あはは、そうですよね。ではごゆっくり…」
そう小さくお辞儀をしてはウエイターさんは部屋から出て行った。
ウエイターさんが出て行って数分後、子供達が部屋へ入って来た。
私を見つけたコナンくんは真っ直ぐ私の元まで来た。
「…何かあったら、言えよ。お前はいつも抱え過ぎなんだから」
「はーーい。コナンくんには敵いませんからね。
そんな事よりどうでしたか? 今回怪盗キッドが狙っているビックジュエル“
「ま、まぁ…仕掛けが盛り沢山だった事は確かだな」
「ほうほう。それはそれは、とても楽しみですね」
きっと、何食わぬ顔で盗んでいくんだろうな、なんて想像していると目の前にいたコナンくんの顔が何かを言いた気だった。
私はふふっ、と笑みを浮かべながら気づかない振りをした。
「コナンくーん!」
「トランプやりましょーよ!」
「お、おー」
「灰原もやろーぜ!」
「私はパス」
3人がトランプに誘っていて、コナンくんはやるみたいだけど哀ちゃんはやらないみたい。
…本当に哀ちゃんはクールだなぁ、と微笑ましく子供達を見ていると歩ちゃんが近寄って来た。
「Aお姉さんもやろうよ!」
「んー、私は見ている方が楽しいから見学してようかな」
「そっか…」
と残念そうな表情をされちゃ心が痛むが、歩美ちゃん許して。
歩美ちゃんはコナンくん達の方へ戻って行ったのを確認すると、哀ちゃんの方を向いた。
「私、トランプやった事ないんですよね」
「そうなの? 珍しいわね」
「……子供らしい遊びをした事ないから、子供達が遊んでいる風景を見るだけで心がいっぱいになるんです…」
それに、遊ぶ友達すら居なかった。
あの子達は幸せ者だよ。
ずっと一緒に居てくれる友達がいる。それだけで世界は広がる。
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メイリュー(プロフ) - noppiさん» コメントありがとうございます!!不定期ですが更新していきますので宜しくお願いします!! (10月5日 13時) (レス) id: e92fbb5050 (このIDを非表示/違反報告)
noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年5月5日 15時) (レス) @page10 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メイリュー | 作成日時:2022年4月12日 14時