検索窓
今日:108 hit、昨日:208 hit、合計:36,382 hit

第054夜 ページ5

暫くウエイターさんの顔を見ると私はニコリと笑う。




「いえ、少し人酔いしてしまって。
宝石は後で見に行くとします。1人でゆっくり、ね」




んー、と身体を伸ばしてはウエイターさんを見る。

地味な人だなぁ、と思ってしまった。




「それより、仕事に戻らなくていいんですか?
早く戻らないと怒られちゃいますよ?」


「あはは、そうですよね。ではごゆっくり…」




そう小さくお辞儀をしてはウエイターさんは部屋から出て行った。

ウエイターさんが出て行って数分後、子供達が部屋へ入って来た。
私を見つけたコナンくんは真っ直ぐ私の元まで来た。




「…何かあったら、言えよ。お前はいつも抱え過ぎなんだから」


「はーーい。コナンくんには敵いませんからね。
そんな事よりどうでしたか? 今回怪盗キッドが狙っているビックジュエル“天空の貴婦人(レディー・スカイ)”は」


「ま、まぁ…仕掛けが盛り沢山だった事は確かだな」


「ほうほう。それはそれは、とても楽しみですね」




きっと、何食わぬ顔で盗んでいくんだろうな、なんて想像していると目の前にいたコナンくんの顔が何かを言いた気だった。

私はふふっ、と笑みを浮かべながら気づかない振りをした。




「コナンくーん!」


「トランプやりましょーよ!」


「お、おー」


「灰原もやろーぜ!」


「私はパス」




3人がトランプに誘っていて、コナンくんはやるみたいだけど哀ちゃんはやらないみたい。

…本当に哀ちゃんはクールだなぁ、と微笑ましく子供達を見ていると歩ちゃんが近寄って来た。




「Aお姉さんもやろうよ!」


「んー、私は見ている方が楽しいから見学してようかな」


「そっか…」




と残念そうな表情をされちゃ心が痛むが、歩美ちゃん許して。

歩美ちゃんはコナンくん達の方へ戻って行ったのを確認すると、哀ちゃんの方を向いた。




「私、トランプやった事ないんですよね」


「そうなの? 珍しいわね」


「……子供らしい遊びをした事ないから、子供達が遊んでいる風景を見るだけで心がいっぱいになるんです…」




それに、遊ぶ友達すら居なかった。

あの子達は幸せ者だよ。
ずっと一緒に居てくれる友達がいる。それだけで世界は広がる。


 

第055夜→←第053夜



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (79 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
354人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

メイリュー(プロフ) - noppiさん» コメントありがとうございます!!不定期ですが更新していきますので宜しくお願いします!! (10月5日 13時) (レス) id: e92fbb5050 (このIDを非表示/違反報告)
noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年5月5日 15時) (レス) @page10 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:メイリュー | 作成日時:2022年4月12日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。