【鬼滅の刃】蟲柱の妹は、妹だと名乗らない 肆

佰肆拾肆話 ページ33

甘露寺「あ！Aちゃんいらっしゃい！カナヲちゃんも！」



ぶんぶんと手を振りながらこちらへやってくる恋柱・甘露寺蜜璃。



養蜂しているのか、甘い蜜の匂いと蜂の羽音がする。




ただ、その音の数が多すぎる。





どれだけの数を飼っているのやら。






…………とその時。






甘露寺「きゃっ？！」
『……しっかりして下さい。』





段差につまずいた恋柱様。




倒れる直前で支えられたから良かったが……。




これでこけられでもしたら、またあの蛇柱様がネチネチ言ってくるだろうし…。



ほんと、恋柱様のこと好きだよなぁ、あの人。





まあ、身体が勝手に反応したって事で。







甘露寺「Aちゃんに助けられたのはこれで2度目ね！ありがとう！」
『………………助けた記憶ないです。』
甘露寺「上弦の鬼と戦ってた時に助太刀してくれたじゃない！もうキュンキュンしちゃったわ！」
『………はあ。』





あれ、助太刀でもなんでもないんだよなぁ。




ただ単に玉壺じゃつまらなかったから半天狗を相手にしてみたかっただけで。




……もしあれを助太刀と呼ぶなら、霞柱様と玉壺が戦ってた時にした事も「助太刀」って事になるのか？





それはご勘弁願いたい。






甘露寺「でもAちゃん、とても強いのね！怪我1つしてなかったわ！」
『普通だと思います。』





ばっさり切り捨てるA。




渡された道着に着替え、音楽に合わせて踊る。




その後、ほぼほぼ力技でのほぐしが始まった。





甘露寺「Aちゃん、身体柔らかいのね！」
『………じゃないと怪我するので。』




毎日のように身体をほぐしたり柔軟をしているAにとって、この稽古は大した苦痛では無かった。




むしろ、他の隊士達が悲鳴を上げながら柔軟されているところを見て溜息すらついていた。







どの柔軟もそつなくこなしたAは、早々に恋柱・
甘露寺蜜璃の稽古、柔軟を終えた。




カナヲはこれからだ。





先に行こうとも思ったが、カナヲが「待ってて欲しい」と言ったので待つ事に。






甘露寺「(お、教える事が何もない…！でも、相変わらず凛々しいわぁ…！)」




でも、もう時間的にはお暇した方が良さそう。




柱はこれから夜間警備に当たるらしいし。




カナヲが終わったら帰るか……。








『(……次は…霞柱様の稽古か……。なんだっけ？高速移動の稽古か。)』

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