【WT】君との記憶を書き留めて (ページ3)

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EP.1 ページ3

「ルーク……いや、イディオト様、お食事のお時間です。」

扉が開き、少し若気のある執事がそう言う。彼の目の下には隈が出来ていた。パッと見、20代そこらだけれど…

筆を手に取り文字を書く。この為に使っているスケッチブックは、相槌や用事、雑談事で溢れていた。そろそろ買わなきゃ…

～～～～

「イディオト様、スケッチブックがもうボロボロでしたよね。買いに向かいましょうか？」

[私が行く]

買い出しだなんて、周りにやってもらわなくとも自分で出来るに決まっている。過保護なのか頭が狂っているのか…私には理解が乏しい。

朝食も終わり、外へと向かった。自身の背丈よりも数百倍と大きいその扉は、開けるのに苦労した。

『……？』

地面に何か落ちている。黄白色で、触れるとザラザラしている、とても高級そうな紙だった。家の者が落としたのだろうか？…いや、そんなはずはない。管理には徹底しているはず。

好奇心から裏面を読んだ。

『…』

拝啓ルーク様
　如何お過ごしでしょうか。私はしがない国民、Broooockと申します。本日、ルーク様と対面させていただきたく、此方を送りました。
今夜、お城の裏庭で待っています。急で申し訳ありませんが、宜しければお願いします。
　Broooock

差出人は存じ上げていない。Broooock…身分を示している事から、この人は信じてもいいのだろう。物は試しだ。暫く待って、来ないようであれば帰ればいい。

………それにしても、何故ここに落ちていたのだろうか。