絡まりアイ (ｔ) (ページ5)

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「え？え？？」

状況をつかめずにポカンとしている私の手を取って、「はい。」と言って小さな箱のようなものを私の手のひらに乗せる。

「あげる。」

「なんで…。」

「いいから、あけてみてよ。」

動揺しながらも言われるがままに箱をあける。

中には、華奢なネックレスが入っていた。

金色の細い鎖と小さな球に繊細に柄が刻印されているトップ。

「もう、どっかに引っかけちゃダメだよ。」

バッと彼を見上げると、満足そうに笑う姿があった。

「いやいやいや！貰えないですよ！あれは私が悪いので！」

「ん～でもネックレスなくすことになっちゃったの、カード拾ってくれたからじゃん？なんかいいことして損したみたいなの好きじゃないんだよね。」

まっすぐ私をみながら話す姿にうっかり見惚れてしまいそうになる。

「でも、なんか高そうだし、あれ多分こんなにしないですよ…。」

「たぶん、ってことは、あれ元カレからのプレゼントとか？」

「えっ！あ、そう、です…。フラれた彼氏からのプレゼントつけてるなんて引きますよね。でもでもっデザインが気に入ってたから付けてただけで未練があるとかじゃないですからっ。」

ふふふっと突然玉森くんが笑い出す。

「おねーさん、焦るとめちゃめちゃ早口で喋りだすよね(笑)見てて面白い(笑)」

急に自分の変な癖を指摘されて、カーっと顔が赤くなるのかわかる。

「顔真っ赤。かーわいー。」

なんとも思っていないような平坦な声で、ドキドキするようなセリフを言う彼。

さらに顔が赤くなり俯いてしまった私の頬にふわっと触れ、そのままネックレスの入った箱を持った手をぎゅっと握ってくる。

「いーから、もらってよ。俺、これ返されても困っちゃうし。」

もうドキドキが最高潮で、私は小さな声で「はい…。」と呟くことしかできなかった。