絡まりアイ (ｔ) (ページ4)

今日:3 hit、昨日:27 hit、合計:66,058 hit

4 ページ4

あれから1ヶ月が程が経ち彼のことも忘れかけていた頃、性懲りも無く私は夜中にコンビニに向かっていた。

「み～つけた。」

夜道で声をかけられて、ビクッとして声の方を振りかえると、公園の柵に男性がゆるく腰かけていた。

怪訝な表情のまま固まっていると、男性がゆっくり近づいてくる。

「忘れちゃった？お姉さんの厄、払ってあげたんだけど…。」

「あ！！！」

「んふふ～思い出してくれた？」

にっこり笑って私を見下ろす彼の顔を見ると、あれ、どこかで見た顔…

「え、えっ？！た、玉森くん？！」

「あれ、俺のこと知ってたんだ。」

「いや、知ってますよっ！って、え！本当に本物の本人？？」

「本当に本物の玉森ですよー。」

「えええええ！！！」

「ちょっと、おねーさんうるさい。」

彼はそう言うと、私の腕を引っ張って誰もいない公園へと入っていった。

動揺していた私は呆然としたまま、彼に連れられていく。

「もう。夜なんだから静かにしないとダメだよ。」

そう言いながら腕を解放して正面に向き直る。

「ごめんなさい、その、人生で1番くらいびっくりしてしまって…。」

「驚かせてごめんね？こないだ気づかなかったし、俺のこと知らないのかと思ってた。」

「あの時は暗かったし、あんまり顔よく見ていなかったので…。」

「ふーん。ま、いっか。」

玉森くんは呟いて、ポケットをごそごそして、取り出したものをこちらに差し出してきた。