29 yside ページ29
「うぃーっす。」
朝、楽屋に入ると微妙な空気。
比較的入り口近くにいた太輔に「なんかあった?」って小声で聞くと、「玉の機嫌がすこぶる悪い。」とのこと。
その、機嫌の悪い玉が俺が来たと見るや、ツカツカとこちらに向かって歩いてくる。
え、なに、顔怖い。
この間、Aちゃんと食事したから?
いやでも、番号教えてくれたのは玉だし、食事に誘うとも事前に言ったし…。
「横尾さん、ちょっと、いい?」
普段のゆるっとした空気どこいった?ってくらいトゲトゲしい雰囲気で誘いだされる。
テレビ局内でも人通りがほとんどない場所まで無言で連れていかれる。
くるっと俺に向き直った玉が、「あのさ、」と切り出す。
「こーゆーの、メンバー間であんまモヤモヤしたくないから直球で聞くけどさ、横尾さん、Aと付き合ったってこと?」
「はぁ?」
「付き合ってんのって聞いてんの。」
「いや、付き合ってないけど。」
「は?ほんと?この前ご飯行ってたよね。」
「ご飯は行ったけど、さすがにその日に付き合ったりしてないわ。」
「…でも、キスしてたじゃん。車ん中で。」
「え?ああ、見てたの?」
あの一連の流れ、見てたのか。
たしかに外から見たらキスしてるように見えたかもしれない。
「たまたま散歩してたら、見たことある車が止まってたの!」
一方的に糾弾されて、こっちも少しイライラしてきたから、ちょっと意地悪してやることにした。
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作者名:kainaniak2 | 作成日時:2019年7月21日 1時