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「そういえば、玉とは、どこで出会ったの?」
私は簡単に概要を話す。
「ふーん、なんか、いい感じの出会いだね。俺らとは大違い(笑)」
「あははっ!いや、私と玉森くんも、落し物したりコケたり、お互いのドジが生んだ変な出会いですよ(笑)」
「たしかに。でも、ほんとに、あの時はごめんね。酔ってたとはいえ、急にあんな、抱きついたりして…。」
「いえいえ!本当に気にしてないですし、酔っ払っていた時のことなので。私もお酒入ってたし、むしろアイドルに抱きついてもらえてラッキーなんてちょっと不謹慎なこと思っちゃったので…。ぁっ!こんな話引きますよね!ごめんなさい…。」
「Aちゃん、ほんと、素直ないい子だよね。」
「えっ!いや、そんなことないですよ…。」
「俺は、そう思うよ。」
じっと目を見て言われて、ドキッとする。
「でもー、もうちょっと気をつけた方がいいかな。」
「えっ?えっと…それ、玉森くんにもよく言われます…。私、普通にしてるつもりなんですけど…。」
「ふふっその、普通が、隙が多いってこと。さっ、遅くなる前に帰りますか。」
「あ、はいっ。」
よいせっと立ち上がって扉の方へ足を踏み出すと、焦って急に立ち上がったせいか、ずるっと前のめりに滑ってしまう。
「きゃ…っ」
「おっ…と」
そのまま倒れる前に、ガシッと横尾さんが抱きとめてくれた。
「ほら、こーゆーとこ。」
私を抱きとめたまま、横尾さんが耳元で囁く声にぞくっとする。
一瞬、ぎゅっと、ささえてくれた腕に力がこもった気がした。
「すみません…。」
パッと横尾さんから離れて謝ると、すでに近くにいたのに、彼が一歩私に近づく。
「ねぇ、本当に、また一緒にご飯行かない?」
「えっ!あの、私でよければ、喜んで。」
「ふははっ居酒屋みたい。じゃ、今日は帰ろ。」
口を大きくあけて笑いながらそう言って、私の頭を撫でる。
ぐしゃぐしゃっとする玉森くんとは違って、優しく、髪にそって大きな手が動く。
その手から、大きくなってきた胸の鼓動が伝わってしまうんじゃないかと、さらにドキドキが増した。
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作者名:kainaniak2 | 作成日時:2019年7月21日 1時