こんな部活、辞めてやるよ【HQ】

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及川side




『もういい。こんな部活、辞めてやるよ』




そう言って出ていったのは、同級生でいつもニコニコしていて愛嬌のよかった暦A。



彼女が出て行った体育館は、静かすぎた。



え？俺達が悪いの？なにかした？

彼女は本当はあんなキャラだったの？

この状況、どうすればいいの？



主将である俺は戸惑っていた。




「あ……っと…み、みんな帰ろう！解散！！」

「……おう」

「…帰っかー」




皆が荷物を持って校門を出ていく。


俺は岩ちゃんとまっつん、マッキーと歩いていた。

4人の間に、会話は生まれない。




「…………暦ちゃん、どうしちゃたんだろ」

「…いきなり怒鳴ったからびびったわ」

「あんな暦、初めて見たな…」




いつものような、ふざけ合う感じは一切ない。


話題はもちろん、暦A。




「……やっぱ俺たちに非があんのかな」

「でも心当たりないべ？」

「でもなあ…そうじゃなきゃじゃあなんなんだよ」



「俺、暦ちゃんにLINEしてみる」




及川さんだよ!暦ちゃん、俺たちに問題があるなら言ってほしい。暦ちゃんの怒ってる原因教えて欲しいな




ふざける文は入れずに、真面目に打った。


だが、一向に既読になる気配はない。




「……明日、朝練くるかな？」

「く、来るよ！！」

「だといいけどな…」




その時俺達はもう手遅れなことに気づいていなかった。






***
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