階級学園【小説】 (ページ18)

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入学式が終わり【紫野優理】ページ18

緊張の入学式が終わった。

やはり華道様の威圧というか威厳は凄まじいなあ…。

華道様を初めてみた新入生は誰でもビビったと思う。

あれだけ完璧でしかも絶対的権力。この世って不公平だよね。

…ともかく、入学式の終わった明日からは大量の退学者が出るだろうな。

レジェンドの方々は容赦のない方が多いし。

そんなことを考えながら歩いていると、生徒会管理の佐加野さまを見かけた。…管理の佐加野様は二人いるから、訂正だね。黒須様だ。

「おめでとう、生徒会からの君の退学が決まったらしいよ、田中君」
「･･･ｯ！テメェ…！」

黄色のピンバッチだから…庶民か。
庶民のくせに黒須様を「テメェ」呼ばわり。これだから低能はやだなぁ。

でもここで割って入る気はないから、遠くからその場面を見つめておく。

「…生徒会死ねばいいのに」

そう小声で呟いたのは、ガーネットのネックレス、あの容姿はゴールドの飯田。

はぁ、バカだねえ。小声で言ったつもりでも、僕の耳にはバッチリ届いてるんだから、黒須様に聞こえないはずないじゃない。

「そこのあなたも退学ね」

案の定、黒須さまは気付いていた。

焦ったそいつは慌てて弁解を始める。でももう遅い。

＿＿生徒会をけなす発言をした時点で、君の退学はもう決定なんだから。

明後日退学と通告された飯田は、絶望したように目を見開き、がたっと膝から崩れ落ちる。

僕は彼から目を離し、止まっていた足をまた進めた。

…弱きものが強きものに逆らえば、然るべき罰を受ける。

ここは、そういうところだ。

…そういえば。

もうすぐ体育祭なんだっけ。

中学まで体育祭は10月にあったから、春に行われるこの行事にちょっと違和感を感じていたりもする。

ま、別に僕は運動神経悪いわけじゃないし、むしろいい方だから、特に悩んでたりはしてないけども。

どうせやるなら勝ちたいし、できれば遊佐様と一緒のチームがいいかな。

あの方の運動神経は規格外だしね！！