【歌い手】世界と歌い手さんが騙されてるので、潰します。4【合作】 (ページ47)

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《…？誰だ!!》

青年のような、少年のような声が聞こえた。

え、なになにどうしたの。

と慌てていたら、肩に手を置かれた。

あの青年のような少年のようなやつが叩いてきた時とは違い、優しく労わるように。

【…そのまま目を開けないで。声も出しちゃダメ。】

誰だか確認しようと、目を開けようとしたら先に制じられる。

その声に心臓がはねた。

その声は記憶にある母の子守唄の声…いや、私の声だ。

【あいつを信じないで。あなたが心から望んでいることをしなさい。

…私達の幸せを願ってくれて、ありがとう。】

この子は私だ。

どの子かは分からないけど、昔の私だ。

【あなたはもう自分の事に気付いたから、大丈夫よ。これは試練で、思い出せなかったらあなたは私達のようになっていたの。…おめでとう、私。】

私の力じゃない。

かほが思い出させてくれて、空が守ってくれて、ふゆが勇気をくれた。

《どこの誰だか知らないが、ここに来るっていうことは相応の覚悟をしてるんだよね？出て来いッ》

【ともかく、私達があいつを抑えておく。もしあいつが頭の中に戻っても、決して耳を貸さないで。】

待って、沢山、沢山聞きたいことがあるの。

いかないで、いかないで。

【だーじょぶだよ！Aー？は？どっしり構えるの！あとはAたちに任せるの！】

幼い声が聞こえ、その次に背中をとんでもない勢いで叩かれた。

うおっと、声が出そうになり、慌てて口を抑える。

しかしそのせいで踏ん張れず、私は倒れた。

しかし地面への衝撃は来ず、なにかに飲み込まれていく感覚。

さっきみたいな、存在が消されるような怖い感覚ではなく、母胎の中にいるような暖かさだ。

それに身を委ね、私は静かに意識を手放した。

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Aさんが謎の声の言いなりになって、前世のAさんが来なかったら、Aさんは存在そのものを消されるところでした。

存在が消えるということは、生まれることもなかったということになりますので、その場合Aさんの意識は自我を保ったまま闇の中で永遠にさまようことに、3人組はAさんを忘れることになります。