49時間目 ページ49
「じゃ、じゃああの出口までお願いしていいですか？」
「ええ、勿論です。私も丁度そこに行く予定でしたので」
明らかに目の色が変わった。
･･･警戒されているな。
女子達がここにいるって事は･･･、『始まって』いるのか。
「実は先程飲んでいまして、酔い覚ましに、と」
「えっ･･･」
意外って言いたそうだね。
確かにこの顔で宜しくないことをやっているのは驚くだろうなぁ。
「ふふっ、実はこう見えて成人しているんですよ？よく未成年に間違われてしまうのですが」
「た、確かに、お兄さん同い年に見える･･･」
不破が僕を至近距離で見ながら言う。
･･･残念ながら僕の顔には特徴的なものはないから、見抜こうとしても無駄だよ。
「お、つきましたね。では皆さんからどうぞ」
「･･･あ！渚がいない！！」
「本当！迷子になっちゃったのかな？」
･･･渚？
潮田渚はさっきまでいなかったけど･･･。
茅野が「探してくる！！」と言って駆けていった。
「もう一人、連れがいたのですか？」
「はい･･･。どうやらはぐれたみたいで」
「そうですか･･･。変な男に捕まっていないといいですが」
片岡が僕と話す。
･･･前から思っていたけど、身長高いなぁ･･･。
5�兩垢辰討い篤韻弧楡�･･･。何だか悔しいぞ、うん。
「所で･･･大丈夫ですか？」
「うん？どうしてだい？」
「だって、ずっとここに居るから･･･」
岡野が僕にそう言った。
･･･ああ、成る程。
遠回しに邪魔だって言いたいのか。
「大丈夫だよ。はぐれちゃった子が来るまで待っているよ」
「お兄さん優しい･･･！イケメン･･･！」
矢田がキラキラと目を輝かせながら言った。
伊達に数年、女性好みの男性に成りきっていないからね。
「あ、来た来た！」
彼女たちの目線の先を見ると＿＿＿
「お、お待たせ〜っ」
すごい引きつった顔の渚がそこにはいた。
･･･これはいいものを見た。
男装をする女性暗殺者はよく見るけど、女装する男性暗殺者は正直指で数えるほどしかみたことない。
･･･欲しいな、『潮田渚』。
と、見つめすぎたのか、渚がこちらを見る。
「えっと、貴方は･･･？」
「凜って言うんだ。宜しく」
裏のない笑顔を。
･･･感づかれては困るし。
「全員揃ったかな？では＿＿」
行こうか。と言おうとした時、邪魔者が。
「おい待てって、彼女ら！！」
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作者名：恵野 | 作成日時：2019年6月7日 21時
