48時間目 ページ48
このお嬢様に捕まって何時間経ったかな･･･。
「ねぇ凜さん？私もっと貴方のこと知りたいわ？」
「それは私もですよ」
微笑みながら話すとすぐに真っ赤に染まる彼女の顔。
･･･仕方ないね、だって僕顔整ってるし。
さて、十分に情報は吐いてくれたし、後は酔い潰れさせて･･･。
「マスター。おかわりを頂けますか？」
「喜んで」
僕とお嬢様のグラスに注がれるアルコールが含まれたドリンク。
ここは有名人の子供が集まっているフロアで、なんともよろしくない場所である。
だから未成年がアルコールを飲んでも誰も気にしないし止めない。
僕は職上柄、飲めないとやっていけないからね。
久しぶりのアルコールはやっぱりいいねぇ。と思いながら堪能していると僕の肩に何かが乗る。
･･･ああ。やっと寝たのか。
とりあえず、伏せさせておくか。
「マスター。彼女をお願いしても？」
「はい。了解致しました」
「彼女の分も入っています。ご馳走様でした、マスター」
「またいらしてください」
僕はカウンター席から離れる。
さて、凜という偽名はもういらないな。
あとは最上階に･･･って。
あそこにいるのは＿＿＿
「お困りですか？お嬢さん方？」
「！？」
なんとも厳つい男性に絡まれているE組女子数名だった。
ちょっと手助けしてあげようか。
「あぁ？兄ちゃんそこどいてくれよ」
「そうそう。見るからにお坊ちゃんだろ？」
「兄ちゃんには女なんていくらでもいるだろ、その顔じゃ。俺たちに譲ってくれよ」
おお。見事に男性に見えているみたいだねぇ。
･･･矢田が何かしようとしていたみたいだけど、多分こいつらは色仕掛けは効かない。
逆効果のタイプだ。
「すみません。彼女たちは私の連れなんです。どうしても相手にしたいなら･･･」
彼らの臑を蹴る。
男達は痛みで床をゴロゴロしている。情けないないなぁ。
「そんなに弱くては、女性を守ることは出来ませんね。では行きましょう」
「は、はい」
彼女らをエスコートする。
「あ、あの。ありがとうございます」
「どういたしまして。なにやら困っていたみたいなので」
片岡が話しかけてくる。
･･･身長盛ってて良かった･･･。
「私は凜と申します。どちらに向かう予定なんですか？良ければボディガードをさせてください」
何やら相談しているようだ。
･･･うんうん、僅かながら聞こえているよ？
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作者名：恵野 | 作成日時：2019年6月7日 21時
