18時間目 ページ18
再びno side
＿＿＿＿＿
「･･･あ、ああ･･･。宜しく、ターゲット」
Aの返事が遅れる。
何だか焦っていると思わせるような表情をしている。
「Aさんの席はカルマ君の隣です」
「オーケー」
Aが言われた席に行こうと一歩を踏み出そうとした瞬間･･･。
「ねぇAさん、前から思っていたんだけど･･･。どうして自己紹介もしていない俺の名前を知っていたの？」
赤羽がAに質問する。
赤羽の質問内容に皆、驚いた目でAを見る。
「ああ、そのことか。君たちは『予習』というものを、学生なんだから当然知っているよね？それと、暗殺の前に色々計画してから実行するだろ？それと同じで、僕は君たちの事を調べただけだよ」
気に障ってしまったのなら謝るよ、とAは言った。
何故名前を知っていたのか。
それは学生なら誰もが行うであろう『予習』と言う行為と同じだ、とAは言った。
その説明に納得した者も居れば、納得していない者もいるようだ。
「じゃ、じゃあ俺からも質問！」
「なんだい？『前原 陽人』」
Aに質問、と言った前原は自分の名前を呼ばれるとは思っていなかったのか驚いている。
「ず、ずばり！性別はどっちだ！？」
E組皆が思っていたことを言った前原。
周りから「よく言った！」やら「流石！」と言葉が飛ぶ。
「成る程。『潮田 渚』がいるから、分からなかったのか」
「そうなんだよ〜」
「ちょっと待って！？」
Aと前原のやりとりに潮田がツッコむ。
Aは自分の指定された席に行こうとしていたが、引き返して元の位置に戻る。
「常時マントをしていたから忘れていたよ。混乱させて済まなかったね。じゃあ･･･」
Aの手がマントに伸びる。
E組生徒は勿論、烏間と殺せんせーもAを見つめる。
イリーナは知っているからなのか、他の皆のようにがっついて見ておらず、Aを横目で見ている。
「たーん、と見たまえ、僕の美ボディを！！」
ばさり、と大きく音を立てながらAはマントを上に放り投げる。
Aの性別はどちらなのか！？
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作者名：恵野 | 作成日時：2019年6月7日 21時
