第40話 ページ40
昼の間に何があったか知らない子供達はいつも通り遊びに行く
そんな中僕たちは下見の計画を話していた
「脱獄決行は6日以内
でもできるなら明日決行したい
ママとシスターに動かれる前に＿＿
発信器はもう壊せる後はこの『下見』を残すのみ
行こう
下見を終えれば脱獄だ」
＿＿13：00逃げ道の下見開始
僕達はエマとノーマンと共に塀へと走っていた
計画通り進んでいると思われた
「エマ」
「うん」
しかし柵の手前で後ろから追ってくる気配に気がついていったん止まりロープの入っている袋を投げる
ｻﾞｯ
ｻﾞｯ
そこにコンパクトを片手に持ったイザベラが現れた
「ママ…？
どうしたの？」
エマとノーマンは笑顔で突然現れたイザベラに話しかける
コンパクトを閉じたイザベラはニコ…と笑い僕らに話しかける
「10年」
「えっ」
「10年一緒に暮らしたけれどお芝居抜きでお話するのはこれが初めてね」
「……？」
「初めましてエマ 初めましてノーマン 初めましてアオ
フフフ…ウフフフ…
ほらあなた達も楽にして大丈夫よ私達だけ周りには誰もいない何も知らないイイ子のフリなんてしなくていいの
今ここではただの飼育監と食用児
でも誤解しないでね私はあなた達を愛している大好きなの本当に……我が子のように愛しているわ
だからこそ諦めてほしくてここへ来たのよ」
「……何を？」
「抗うことを」
「「！？」」
「………」
「大好きだから苦しんでほしくない私はあなた達を苦しませたくないの
幸福な一生じゃない？
あたたかなお家でおいしいごはんと愛情いっぱい
飢えも寒さも真実も知らず見たさてた気持ちで死んでいく
一体それのどこが不幸だと言うの？
逃げるなんて不可能お外も危ないわ絶望がいっぱいよ
ね お家の中でみんなで一緒に幸せに暮らそう
決められた時間最後まであなた達6人にも幸せでいてほしいの」
これ即出荷じゃないな
僕たちが逃げないように‘’制御‘’したいこれからはやり方が変わるここからはイザベラの直接支配
となると下見のチャンスは今しかない
今ここで下見をしなければ イザベラは下見事気じゃ‘’即出荷‘’しない
いつまで考えてるノーマン！これくらいじゃ即出荷はない！！
「わかったよママ……
もういい子は辞める」
ノーマンの言葉でエマが走り出した
「行ってノーマン！！」
僕も足止めをするコンパクトを奪えば…！
そこでイザベラはニヤリと笑った
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作者名：八重黒 | 作成日時：2022年8月8日 2時
