第38話 ページ38
＿＿11月2日木曜日
脱獄決行まであと6日
「確認するぞ
昼飯の後自由時間に入ったら俺がママを引きつける
ノーマンとエマとアオは塀に上って『下見』
ドンとギルダは屋外ハウス2階の南窓が見える位置にいろ」
「「？」」
「万一俺がママを引きつけられなかったら合図する
エマ達に伝えてソッコーで下見中止させろ
多分ママは疑ってるバレてるって感じではなかったけど楽観はできない
土壇場でこっちの誘いに乗らない可能性もある」
「そうなったら諦めるのか？下見を」
「ああ場合によっては一旦はな
いいか？『制御できない』と思われたら終わりだ
ママの目的は俺達の満期出荷
特にフルスコア3匹
ここまで育てて途中で出すなんざ意地でもしたくない制御できる内は絶対制御したい自分にならできる
それがイザベラって飼育者だ
疑われようと怪しまれようと騒がず『制御できる』と思わせればいい
幸い来月の定例出荷はない決行日までは6日だが究極次1月俺の満期出荷まで2ヶ月半の時間がある
何かあれば下見は即中止
あくまで水面下制御可能を装うんだ
いいな？」
「「ｺｸｯ」」
「レイ、アオちょっといい？」
「「？」」
「は！？
『発信器を壊せる』をシスターに掴まれた！？」
「何やってんの」
「ウッ」
「利益もあったがしくじった決行日を早めたい
発信器はいつ壊せる？」
レイはサイドテーブルをずらしそこに隠してあった黒い箱を取り出した
「「「？」」」
「昨日二人がシスターの部屋に行ってる間ママから貰った
お前らを売った報酬だ」
「！」
「インスタントカメラ？」
「そいつを待ってた」
「？」
「それで最後のパーツが揃ったんだよもういつでも発信器は壊せる
下見次第で決行日を早めよう
隠したかった手の内を奴に読まれたのは厄介だ」
発信器無効化の機械なんて脱走の物証としては十分すぎるくらいだ
「証拠だけは絶対に掴まれてはいけない」
「掴まれる前に早いとこ下見して逃げよう」
「ああでもママへの対処は変わらんぞ」
「ｺｸｯわかってる」
「シスターはシスターで手を打とう」
「ｺｸｯ」
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作者名：八重黒 | 作成日時：2022年8月8日 2時
