３７００年後の日本 ページ3
体の動きを封じていた何かが外れていくのを感じながら目を覚ました。
なんだか、脱皮みたいだ、と回らない頭で考える。
ここ、、、どこ？
純粋な疑問が頭に浮かぶ。
日本、なのだろうか。いや、でも私の知っている景色とは明らかに違うし、、、
色んなことを考えている間に、モヤがかかったような意識が少しづつはっきりしていくのを感じた。
そして、少しづつはっきりとしていって、もうすぐで使い物になりそうだった私の意識は再びポンコツと化してしまった。
目の前の、ガタイのいい男性
着ている原始人のような服
そして、生きている私
混乱するには充分すぎる条件が揃っている。
...情報量が多くて、頭パンクしそう。もしかして、頭から煙出てたりして。
そんなしょうもない考えを遮るように、また新しい思考要素が放り込まれた。
「おはよう。君は、櫟本Aさんであっているかい？」
普通なら、何でもない質問で、答えられない人なんてなかなかいないような質問だ。
でも、脳みそのキャパを使い切っていた私はそれすらも一瞬遅れてしまう。
今話しかけないでほしい。切実に。
できることなら、余計に考えることを増やさないで！！、と叫びたい気分だ。
最も、そんな度胸は私にないし、理性はこんな極限状態でも働いているので、できないのだけど。
色々と思考した結果、私はなんとか声を出した。
『っと、はい、櫟本、A、デス』
一度、落ち着こう。我ながら酷い返しだ。
緊張してか、混乱してか、久しぶりに聞いた自分の声は記憶の中の声より上ずって聞こえる。
「なら良かった。まずは、うん。混乱しているだろうから歩きながら話そうか」
...どうやら私はどこかに連れて行かれるらしい。
新しく出てきた情報に、私の脳は考えることを放棄した。
できるだけ早く混乱を沈めるためにも、とりあえず今はしっかり話をきこう。
私は、話を聞くことに専念することに決めた。
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作者名：ハント | 作成日時：2023年3月16日 8時
