嫌いになりたい【wrwrd!】 (ページ23)

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兄さんは本当に考えてくれた。私の立場から、客観的に見てとか。色んなことを話しながらやっていた。

「俺は、Aに任せる」

『尊重してくれるんや』

「当たり前！Aは大切な人やから」

『ふふ、ありがとう』

「でも、Aが辛いならどっちにいても連絡してくれれば連れ出してあげられるし、ぴくと王ともななみの意思で連れ出していいと約束した」

なんて約束をしたんだ。兄さん有能過ぎない？許可出してからここに来るの早かったし。(後日聞いたら、私を助け出した日から面会待ちしていたらしい)

『私の気持ち優先でええの？そないに甘えてええの？』

「うん。俺もこれからAのために時間を使っていきたいんや」

『兄さんイケメンすぎやしませんかね…ねぇ、幹部達って私の事嫌いやんな。必要としてへんよね』

確認をしたくて。ひとりで勝手にこう思っているだけなら、ここで直したい。でも本当に嫌いなら、もう諦められるような気がする。遠くから見守る選択肢も取れる気がする。

「ごめん、そればっかりは答えられへん。予想はつくけど、あっているかわからん。しかも自分で自分の気持ちも伝えられないような、Aを傷つける屑にAを会わせとうないし」

『気持ちはわからんよね…ありがとう』

「でもこれだけは言ってあげる。俺はAがどこに居ったって会いたいし、一緒にいたいって。それくらい必要な存在。だけど我々国に縛られてほしくない。もしも忠誠とか、裏切りとかを心配してるんならそこは心配は必要ない。グルッペンは、Aの味方だから」

『優しいよね、グルッペン』

「Aには特にね。でも、明確な意思を持ってないとグルッペンは戻そうとしてくるかも。気をつけて」

『駄々こねちゃう』

「コネそうだね」

あはは、と二人で笑いあう。その声が聞こえたのか、ぴくとくんも入って来た。書類を抱えてだけども。

「俺ここでやっていい？騒がしい方が好き」

『もちろん。あー、楽しい』

「笑っとる方がかわええなぁ」

「いやほんっとそれ。Aは笑顔がいい」

『…褒めても何もでないよ』

悩むのは後でもいいや。今は今で楽しもう。

戦争が終わってからでも遅くない。