アイカツの革命

トップデザイナーは双子 ページ7

ワァァァアアアアアア！！！！！！

歓声が身体を包み込む。

大きな脱力感と疲労感に見舞われながら、何とか立っている私。

それでも、このステージが楽しかった。

スペシャルアピールはできた。

イイこと尽くしな今回のステージ。

私はおぼつかない足取りで舞台を降りた。




・


ステージが一番見える二階の席で二人の青年が座っていた。

「わぁ、すごぉい。ねえねえ兄ちゃん見たあの子。カッコよかったねぇ。カードの選びも満点あげたなぁ」

「ぎゃーぎゃ―騒ぐんじゃねぇコノヤロー。まあ、良いんじゃねぇーの」

のほほんとした青年が、話しかけると顔は似ているが雰囲気が全く似ていない青年に怒鳴られ、しゅんとする。

それでも、怒った青年の方が褒めるのは珍しいことらしくすぐに嬉しそうに笑っていた。

「じゃあ、ミューズはあの子で決まりだね。兄ちゃん」

「フンッ、せいぜい頑張るこったな日鷹マリア。」

「兄ちゃん、そーゆーの悪役の下っ端が言うセリフだよー」

噛ませ犬もいいとこだよー？というのほほんとした青年にヘッドロックを無言でかける。

「あぁぁぁーーー兄ちゃん痛いよぉー」

放してぇーと泣きながら叫ぶ青年に、呆れたのか技をほどいた。

「もぉー、ニーノ兄ちゃん酷いよぉー」

「うるせぇコノヤロー。アージェが弱ぇのがワリィんだよ」

兄ちゃんの理不尽ー。鬼ぃー。なんて泣いているアージェをほっときマリアの控室へ足を進めるニーノ。

そんな兄を泣きながら追いかけるアージェ。

この二人が、BREAKINGMYHEARTのトップデザイナーであり、先ほどの使用人の青年であった。




・





バタンっ

マリアの控室に扉を閉める音が響いた。

そしてずるずるとしゃがみこむとマリアは自身の顔を覆った。


や、やってしまったぁぁぁぁぁ・・・

いくらテンションが上がったからって、アレはない。

もはや、別人レベルで変わってしまっているじゃぁないかぁぁぁ


ステージ上で起きた事や、その時の自分を後々振り返り恥ずかしくなっていた。

最初の歌詞も、本当だったらもう少し声を上げて歌うはずだったのに実際出た声は、囁くようなウィスパーボイス。

あんな声練習では一回も出たことはない。

後半のサビは、出だしを打ち消すような力強いアルトが鼓膜を揺らした。

コレだって、前まではなかったことだ。

まるで人が変わったような歌い方だった。

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