☆ ページ26
煩いなぁとでも思っているかのように少し顔を顰めた。
だが、段々と緩められていく顔はとても幸せそうだ。
「分かっている。そろそろ戻るよ。
ああ、うん。
あ、そう言えばまだ言ってなかったな。
優し気な声は澄んだ空気に溶けるように、消えて行ったが、モバイルごしの彼は今は赤面中だろう。
そんな事のを考えているのか、家に帰って待っている親戚からのお土産などを期待しているのか、マリアの顔は、緩み切っていた。
その時不意に聞こえた言の葉
『Felice Anno Nuovo,Il mio prezioso uno.』
だが、モバイルから帰ってきた言葉は、マリアを照れさせるには十分だった。
「…本当に君は、人を照れさせるのが上手いな。
アイドルやれるんじゃないか?」
勝った気でいる彼にマリアだって、負けてはいない。
これでも現役アイドルだ、とでも言うかの如く甘い声を出した。
「Der Mann, Den Ich liebe.Sie wollen einander
これでどうだ?」
帰ってきたのは白旗を上げて降参だという返事。
それに気をよくしたのか、満足げなマリア。
「アイドルをからかうんじゃない。
と言うか、アイドルは恋愛はご法度だぞ。
本気にするだろうが」
最後の方は細々とした声で彼には聞こえなかったようだが、恥ずかしくなったのか荒々しく通話を切った。
「くそう、アイドルってちょっと窮屈すぎやしないか?」
ぽつりとつぶやいた、マリアの新年はまだまだ始まったばかりだ。
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天羽音花 - 最近アイカツフレンズの小説を書き始めたこともあり、色々な人の作品を読んでいたところ、この作品を見つけました。設定やお話の書き方、ストーリーの展開、どれを取っても参考になりますし、とても面白いです!これからも更新頑張ってください! (2018年6月9日 7時) (レス) id: 55b5068c58 (このIDを非表示/違反報告)
果口 陽暉(プロフ) - 斗渚さん» ありがとうございます!光栄の極みです! (2017年12月20日 7時) (レス) id: 17a8e4b861 (このIDを非表示/違反報告)
斗渚 - この作品は面白いです!寒くなってきたので風邪をひかないで更新頑張ってください。 (2017年12月19日 15時) (レス) id: a3e40a4b60 (このIDを非表示/違反報告)
果口 陽暉(プロフ) - 泡沫のアリアさん» ほ、本当ですかΣ(´∀`;)お手本は嬉しいです(/ω\)応援ありがとうございます(人''▽`)頑張りますっっ!ついでにこの作品を作った理由はオリキャラをレイさんと一緒にステージに立たせたかったからです!! (2017年11月23日 15時) (レス) id: 17a8e4b861 (このIDを非表示/違反報告)
泡沫のアリア(プロフ) - 書き方とかお話の設定とかが全て私が読んできた中で一番お手本&面白い作品です!これからも頑張って下さい!応援してます! (2017年11月23日 6時) (レス) id: 4695091f56 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:果口 陽暉 | 作成日時:2017年11月19日 16時