Frohes Neues Jahr ! ページ25
まだ暗い時間に目が覚めたマリアは、ぼんやりとした頭を使いフラフラと外へ歩き出した。
北風が冷たくて、来るんならもっと防寒着着てくればよかったと後悔しながらフラフラ海岸沿いを歩く。
まだ太陽は上がっておらず、人も動き出していない静かな港は、波の音に埋め尽くされていた。
「はぁッ、」
何と無くはいた息は、白くなって風に流されていった。
動かないと寒いのでゆっくりと足を動かしながら、ぼんやりと地平線を見る。
そう言えば、今何時だろう。
考えなしで、寮から出て来たので、手元にあるのは財布とアイカツモバイル。あと、懐炉。
暖を取るには心許無い懐炉をポケットの中で握りしめ微かな熱を求める。
すると不意に景色が明るくなったような気がした。
じんわりと染み入るように、画用紙に主がさすように、赤が暗い世界に色を付ける。
赤くなった鼻先なんかよりもっと、鮮やかな赤が地上に色を付けていく。
まるで、アイドルに充てるスポットライトの様だ。
今も、じわじわと色の変わる世界を残しておきたくてアイカツモバイルを起動させてカメラ機能を出した。
パシャッ
物音ひとつしない空間にカメラのシャッターを切る音が響いた。
悴んだ指先で操作しながら先ほど取った一枚を気に入った写真しか載せないSNSを開き、投稿する。
正直、遊びに行った時と、仕事で向かった場所くらいしか撮らないので、他のアイドル達よりはフォロワー数は少ないが、あまり気にしたことはない。
すぐに、反応があったのことに気にしてくれてる人が居ることが何となくわかるSNSは、アイドルを元気付けるにはもってこいの代物だ。
ぽつぽとと増えるコメントに少し満足感を感じながらモバイルを閉じた。
それから何分かぼんやり明るくなった地平線を見ながら、大晦日の夜を思い出す。
歌って踊って、騒いで、アイドル紅白は本番より練習の時の方が辛い。
ただ、歌い終わった時の達成感は類を見ない程のものだった。
静まり切った世界に着信音が流れる。
「
しゃがみこんでいたマリアは立ち上がり名残惜し気に見事に染め上がった海を見つめる。
「そうだな、昨日は夜が遅かったから今日はゆっくりしたい気分だ。
まぁ、アイドルたるものもう少しは働かないとな。」
来た道を戻るようにゆっくりと歩き出す。
「え？、写真？それがどうしたんだ？うん、…今海岸にいるんだよ」
すると、モバイルから怒号が響き渡る。
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天羽音花 - 最近アイカツフレンズの小説を書き始めたこともあり、色々な人の作品を読んでいたところ、この作品を見つけました。設定やお話の書き方、ストーリーの展開、どれを取っても参考になりますし、とても面白いです！これからも更新頑張ってください！ (2018年6月9日 7時) (
レス) id: 55b5068c58 (このIDを非表示/違反報告)
果口 陽暉(プロフ) - 斗渚さん» ありがとうございます！光栄の極みです！ (2017年12月20日 7時) (レス) id: 17a8e4b861 (このIDを非表示/違反報告)
斗渚 - この作品は面白いです！寒くなってきたので風邪をひかないで更新頑張ってください。 (2017年12月19日 15時) (レス) id: a3e40a4b60 (このIDを非表示/違反報告)
果口 陽暉(プロフ) - 泡沫のアリアさん» ほ、本当ですかΣ(´∀｀；)お手本は嬉しいです(/ω＼)応援ありがとうございます(人''▽｀)頑張りますっっ！ついでにこの作品を作った理由はオリキャラをレイさんと一緒にステージに立たせたかったからです！！ (2017年11月23日 15時) (レス) id: 17a8e4b861 (このIDを非表示/違反報告)
泡沫のアリア(プロフ) - 書き方とかお話の設定とかが全て私が読んできた中で一番お手本&面白い作品です！これからも頑張って下さい！応援してます！ (2017年11月23日 6時) (レス) id: 4695091f56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：果口 陽暉 | 作成日時：2017年11月19日 16時
