gからの内通者【wrwrd!】 (ページ18)

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喫煙ページ18

『…あ、本当にいた。』

ut｢あれ？グラシアちゃん、僕に用？｣

タバコを吸いながら窓の外を眺めていた。
黄昏ている彼に書類を渡す。
苦い顔をしながらも、煙草の火を消して受け取ってくれた。

ut｢デートのお誘いやったら嬉しかったんに…あれ？でもこれあと僕のサインだけやん。｣

『はい、私がやっておきました。書記長からの伝言で、私がやるのは今回だけ。次サボったら椅子に縛り付けてやらせるからな。だそうです。』

ut｢これだったら俺もやるわぁ。…グラシアちゃん、1本付き合ってよ。｣

冗談で1本出したのだろう。
私はそれを断り、自分の懐から大先生とは違う箱を出した。

ut｢え、喫煙者？｣

『匂い消しとか、イライラした時にしか吸いません。今回はお付き合いしますよ。』

アークロイヤルと書かれた箱から1本出す。
これはいわゆる悪いお友達から教えてもらったもの。
国に帰ったら辞めなきゃ。
みんな煙草嫌いだから。
煙管だったら依存性も身体への害が無いのがあるからそっちにしよう。

ut｢…バリ強いやつやん。誘った俺が言うのもアレやけど、身体は大事にしい？｣

『そんなぽんこら吸いませんよ。ただ…このあとグルッペンさんにも届けに行くんですよね。』

ut｢うん、とりあえず消臭しときな。｣

一旦部屋に寄ってから行きます、と言うとそうしな、と返ってきた。
煙草に依存するのは悪いとは分かっている。
なんとか抑えてはいるが、ハマってしまいそうだ。
何も考えなくてよくなるから。

『…では私はこれで。』

ut｢はい、それ没収。｣

『え。』

ut｢代わりにこれあげるわ。｣

アークロイヤルの代わりに手に入ってきたのは小箱。
開けると、甘い匂いが漂う。
赤や緑など様々な色だ。

ut｢プラリネっていうやつ。いわゆるチョコレートや。グルちゃんと食べ。｣

『ありがとう…ございます。』

ut｢そんな複雑な顔せんの！さ、行ってらっしゃい。｣

煙草を取られてちょっとムッとしてしまった。
だが身体に悪いし、ちょうど良いだろう。
私は喫煙所から出て小走りで自室へ向かった。