gからの内通者【wrwrd!】 (ページ13)

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朝ページ13

5時きっかりに目が覚めた。
身体の不調は無い。

窓を開け、朝の空気を取り込む。
昨日と似たような服を着て、羽織を羽織る。
鏡の前でくるりと周り、おかしな場所が無いかを確認する。

昨日は仕込んでいなかったクナイを数本隠す。
…自分用の武器が欲しい。

本当はそんなにクナイは得意ではない。
と、いうのも、私は腕の力が弱く戦闘にそこまで向いていないのだ。
素早く動き、相手の隙や急所を打つのが私の戦闘スタイルだ。

椅子に座わり、本を開こうとした時だった。
上から大きな音がした。
振り向くと、緑色のフードを被った男性。
彼は私の顔を見てニンマリ笑っていた。

zm｢おはよーさん！お前朝早いんやな。｣

『えっと…ゾムさんで？』

zm｢せやで。｣

『なんで、上から？』

zm｢そっちの方が移動が楽やからな。｣

なんだか褒めてほしそうにしている。
意味がわからず、思わず頭を撫でてしまった。

ゾムさんは驚いていた。
しまった、違ったか。
手を退けようとしたが、離す前に手首を掴まれた。

zm｢なんで止めるん？｣

『驚いていて、嫌そうな顔をしていましたし、私が媚びを売っているように見られるのは嫌なので。』

zm｢嫌やない！なあ、もっとしてくれへん？｣

『不敬になりますので。』

zm｢…じゃあ命令って言えばしてくれるん？｣

彼は上目遣いでこちらを見ている。
この人は本当に私より歳上なのだろうか。
ただ、ここで負ける訳にはいかない。

『書記長から私用の命令は拒否しても良いと言われているので。』

zm｢トントンめ…！｣

恨めしそうに私の腕章を見つめている。
書記長のお陰で助かった。
だが彼も諦めない。

zm｢なぁなぁ。これあげるから撫でてくれへん？｣

そこには、見たことがない白いもの。
ふわふわしてそうだ。
なんだろう、これは。
頭を傾げていると、彼は1つ私にくれた。

口に入れると、少しだけ溶ける。
ふわふわ、にちゅにちゅ、と口の中で広がっていっている気がする。
とても美味しい。

zm｢マシュマロって言うんやで。昨日エミさんから押し付けられたんよ。｣

食べたんだから、撫でろ。
そういう風に、私が頭を撫でやすい位置に来る。
貰ったからには仕方がない。
私は彼の頭をゆっくりと撫でた。

『…そんなに気持ち良いんですか？』

zm｢人の手って、温かいんやで。グラシアは、されたことないん？｣

『………覚えてないです。』

そっか、と聞こえる。
彼は急に立ち上がり、私の頭に手を乗っけた。

zm｢じゃあ俺が撫でたる！｣

彼の手は雑だったが、確かに温かかった。