No.279 ページ38
探偵社の事務所の奥に位置する、会議室。
その中には、机に足を乗せてストローでジュースを飲む乱歩と、ノートパソコンを前にした時祢、書類を広げる太宰の姿があった。
書類とデータを照らし合わせる時祢を横目に、太宰は乱歩に云う。
「凄い情報ですね。値千金だ」
「好きに使え。僕は興味ない」
先日、乱歩は組合の設計者長、エドガー・アラン・ポオの異能力、『モルグ街の黒猫』によりポオの小説の世界の中で行われた推理
そして勝利の末に手に入れた、『白鯨』の資格及び攻略法。
組合との闘いに於いて、非常に有用な情報だ。
「……これを使って、組合の背骨を一撃で圧し折るなら……」
時祢は書類のデータを移したパソコンを見詰めながら呟く。
「……潜入から爆弾?」
「はぁ?無理だろ。通信から狙撃で着水して失敗だな」
太宰が出した案を乱歩が即座に切り捨てる。
太宰は数秒考え、「本当だ」と呟いた。
「じゃあ特務課突入から賢治君だと?」
「無理。地上戦になって痛み分け延長戦」
「あぁ……確かに」
時祢は二人の話を聞き、云う。
「……じゃあ、敦だね」
「うん、そうなるかな」
「ふぅん。ま、『細雪』を使えば悪くない」
太宰は用済みとなった紙を一枚紙飛行機にして構える。
「ですね……では潜入手段は?」
「それこそ特務課だな」
「すぐ掛かります。最後は山?」
「海だ」
「……成程。確かに海」
「了解」
暗号のような単語が散りばめられた謎の会話を繰り広げる三人に、谷崎に三人が作戦立案中だと伝えられ入室した敦は頭いっぱいに疑問符を浮かべながら立ち尽くす。
彼の肩に、太宰が戯れに飛ばした紙飛行機がこつん、とぶつかって地面に堕ちた。
242人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛(プロフ) - 仍さん» コメント有難うございます!夢主ちゃん全力で撫でまくって褒めまくらなきゃいけないレベルで頑張らせてしまいました……!!原作見て「此処はこうしたらいい感じかな……?」って思ったとこの回収全部任せてしまってごめんね夢主ちゃん……() (2019年6月11日 0時) (レス) id: d2f0ba7099 (このIDを非表示/違反報告)
仍 - 夢主ーーーー!!頑張ったね! (2019年6月11日 0時) (レス) id: 748d83af02 (このIDを非表示/違反報告)
探偵社の幼女社員 - ありがとうございます!楽しみにしてますね! (2019年6月10日 6時) (レス) id: b41e54e8cd (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 探偵社の幼女社員さん» なるほど……ではもう少し私が個人的に落ち着けるようになれば、クロスオーバー用の番外を作りましょうか?かなり更新頻度は低くなるとは思いますが…… (2019年6月9日 13時) (レス) id: d2f0ba7099 (このIDを非表示/違反報告)
探偵社の幼女社員 - そうですか…実はTwitterがアカウント凍結されてて…(--;)使えない状態で…もし落ち着いたら占ツクでやってくれますか? (2019年6月9日 13時) (レス) id: b41e54e8cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:凛 | 作成日時:2019年4月14日 23時