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No.275 ページ34

「中也の『汚濁』形態は周囲の重力子を操る。自身の質量密度を増大させ戦車すら素手で砕く」





太宰が薄い笑みを浮かべながら、盛大に上がった砂煙を眺める。



程なくして中から中也が現れた。



そして、体に巨大な穴が空いたラヴクラフトに再び対峙する。



彼を中心に、黒い無数の粒子が浮かび上がる。





「圧縮した重力子弾は凡百質量を呑み込む暗黒空間(ブラックホール)だ。但し本人は力を制御出来ず、力を使い果たして死ぬまで暴れ続けるけどね」




何でもないように云う太宰を、首元に時祢の小刀を添えられたスタインベックは少し冷や汗を垂らしながら横目に見上げる。



そんな中、中也とラヴクラフトの戦闘は続く。



中也の攻撃は何発もラヴクラフトに入るが、その度にラヴクラフトの体は再生される為終わりが見えない。





「しかし……あれは一体何だい?中也が幾ら削っても即座に再生している」





太宰がスタインベックを視線だけで見下ろした。





「相棒の君なら、あれの正体を知っているんじゃないかな?」





スタインベックはその視線を受け、小さく鼻で笑った。





「ふん、さてね……仮に知っていても教える訳ないだろ」





時祢はそんなスタインベックを後ろから温度の見えない瞳で見詰めている。



太宰が宥めるように時祢の頭を撫でた。



時祢は兄をちらりと見て、視線を中也へと戻した。



中也は両手に巨大な重力子弾を作り出している。



不意に、中也の口からツ、と血が流れ出した。





「拙いな」





太宰が小さく呟いた。





「中也の躰が保たない」





『汚濁』形態は強大な力を手にする反面、体への負担が途轍も無く大きい。



長期戦は、『汚濁』形態の中也にとっては最も相性が悪いと云えた。



打開策を見出さない限り、この戦いの結末は決まってしまっていた。

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(プロフ) - 仍さん» コメント有難うございます!夢主ちゃん全力で撫でまくって褒めまくらなきゃいけないレベルで頑張らせてしまいました……!!原作見て「此処はこうしたらいい感じかな……?」って思ったとこの回収全部任せてしまってごめんね夢主ちゃん……() (2019年6月11日 0時) (レス) id: d2f0ba7099 (このIDを非表示/違反報告)
- 夢主ーーーー!!頑張ったね! (2019年6月11日 0時) (レス) id: 748d83af02 (このIDを非表示/違反報告)
探偵社の幼女社員 - ありがとうございます!楽しみにしてますね! (2019年6月10日 6時) (レス) id: b41e54e8cd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 探偵社の幼女社員さん» なるほど……ではもう少し私が個人的に落ち着けるようになれば、クロスオーバー用の番外を作りましょうか?かなり更新頻度は低くなるとは思いますが…… (2019年6月9日 13時) (レス) id: d2f0ba7099 (このIDを非表示/違反報告)
探偵社の幼女社員 - そうですか…実はTwitterがアカウント凍結されてて…(--;)使えない状態で…もし落ち着いたら占ツクでやってくれますか? (2019年6月9日 13時) (レス) id: b41e54e8cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年4月14日 23時

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