No.266 ページ25
「マフィアが彼を殺すのは勝手だけどね」
太宰は時祢に支えられている気を失った久作を見て興味無さそうに云う。
そして笑みを浮かべながら続けた。
「大損害を受けたマフィアと違って、探偵社の被害は国木田君が恥ずかしい台詞を連呼しただけで済んだから」
何でもないというように云った太宰に、中也は驚いたように目を見開く。
「社員に詛いが発動したのか。その後如何した」
「勿論録画したけど?」
(探偵社にも太宰で苦労してる奴が居るな……)
言うまでも無いという様子で平然と答えた太宰に、中也は探偵社の太宰被害者を哀れに思った。
時祢はある程度なら太宰を抑制することもあるが、基本的に兄の行動は止めない方針の為彼女が居てマシになることはあろうと被害が零になることは無い。
中也は溜息を吐き、時祢から久作を受け取る為に彼女に歩み寄った。
〜*〜*〜*〜
「おいクソ太宰。その人形寄越せ」
「駄ー目。万一に備えて私が預からせて貰うよ」
久作を背負った中也は後ろを登ってくる太宰に云った。
階段の次の段に足を掛けた太宰はそう答え、左手を繋いだ時祢を見る。
「時祢、痛くないかい?」
「大丈夫」
松葉杖を入口に放置してきた為、時祢は出来るだけ負傷した方の足に負担を掛けないよう注意しながら階段を上っていた。
中也は苛立たしげに太宰を睨んだ。
「あぁ糞、昔から手前は俺の指示を露程も聞きゃしねぇ。この包帯の付属品が!」
「何だって?中也みたいな帽子置き場に云われたくないね」
「この貧弱野郎!」
「ちびっこマフィア」
「社会不適合者!」
悪口の応酬を繰り返す中也と太宰。
太宰は余裕そうに微笑を浮かべた。
「その程度の悪口じゃそよ風にしか感じないねぇ」
「ぐ……」
悔しげに呻いた中也は、最終兵器を出した。
「手前が泣かした女全員に今の住所伝えるぞ。安心しろ、時祢はこっちで預かってやるよ」
「ふん、そんな事……」
太宰は沈黙を落とし、時祢を見た。
彼女は心做しか少し呆れたように太宰を見上げている。
「……それはやめてくんないかな?」
女性の恐ろしさをよく知る太宰は、真面目な顔をして云った。
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凛(プロフ) - 仍さん» コメント有難うございます!夢主ちゃん全力で撫でまくって褒めまくらなきゃいけないレベルで頑張らせてしまいました……!!原作見て「此処はこうしたらいい感じかな……?」って思ったとこの回収全部任せてしまってごめんね夢主ちゃん……() (2019年6月11日 0時) (レス) id: d2f0ba7099 (このIDを非表示/違反報告)
仍 - 夢主ーーーー!!頑張ったね! (2019年6月11日 0時) (レス) id: 748d83af02 (このIDを非表示/違反報告)
探偵社の幼女社員 - ありがとうございます!楽しみにしてますね! (2019年6月10日 6時) (レス) id: b41e54e8cd (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 探偵社の幼女社員さん» なるほど……ではもう少し私が個人的に落ち着けるようになれば、クロスオーバー用の番外を作りましょうか?かなり更新頻度は低くなるとは思いますが…… (2019年6月9日 13時) (レス) id: d2f0ba7099 (このIDを非表示/違反報告)
探偵社の幼女社員 - そうですか…実はTwitterがアカウント凍結されてて…(--;)使えない状態で…もし落ち着いたら占ツクでやってくれますか? (2019年6月9日 13時) (レス) id: b41e54e8cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛 | 作成日時:2019年4月14日 23時