包帯無駄遣い装置の妹さん 6【文スト】

No.259 ページ18

「私の部下も何度も殺されかけているが？」





鋭い眼光を宿した眼差しを森に向ける福沢。



それに怯むことも無く、森は口元だけを笑ませた。





「だが、死んでいない。マフィアとして恥ずべき限りだ」



「……ふむ。ではこうするのは如何だ？」





＿＿＿＿カシャ。





福沢の手が、刀に添えられた。



軽い金属音が鳴る。



次の瞬間。





「今、此処で凡ての過去を清算する」





彼が放った殺気が、場を包んだ。



一瞬それに圧倒された黒蜥蜴。



だが、首領の御身を守らんと銀と立原は地面を蹴った。



だが、気付いた時にはそれぞれの獲物は砕けていた。



二人の間を通り過ぎ彼等の将へと敵の手が迫る。



そして振り返った二人の目に映ったのは、身を低くして刀の先を森の首筋に突き付ける福沢と、その福沢の首筋に手術刀(メス)を添える森の姿。





「……刀は棄てた筈では？孤剣士『銀狼』＿＿＿＿福沢殿」



「手術刀で人を殺す不敬は相変わらずだな＿＿＿＿森医師」



「相変わらずの幼女趣味か？」



「相変わらず猫と喋っているので？」





二人の視線が、交錯した。

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