包帯無駄遣い装置の妹さん【文スト】

No.13 ページ15

「多いと思う」



｢そうかな？｣



｢うん｣





時祢は私が抱えている服を見る。



未だ買いたかったけれど、今日は部下は連れていない為持てる分だけにしたのだが。





｢後は……あ｣






私は足を止めた。





｢姐さん、一寸荷物見てて貰えませんか？｣



「嗚呼、構わぬぞ」



｢時祢、姐さんと待っててね｣



｢うん｣





私は荷物を通路の途中に設置されていた長椅子に置き、或る店の中に入った。



数分して店から出て二人の所に戻ると、何故か姐さんが時祢を膝の上に乗せて撫でていた。



時祢も抵抗せずに撫でられている。





｢姐さん、其の状況は一体…｣



｢愛でておるのじゃ。見て分かるだろうに｣



｢否、其れは分かるんですけど…｣





時祢が姐さんの膝から降りた。



姐さんも少し残念そうにし乍らも立ち上がる。





｢来る時に見た親子の、真似をしてた｣



｢して貰ったことが無いと云うのでのう｣





私は納得しつつ、再び荷物を抱えた。





｢何か買ったのかえ？｣



｢はい、一寸｣





荷物を左腕で抱えて、私は右手を時祢に差し出した。





｢時祢、次は家具見に行こうか｣





此処もマフィアの息が掛かっている為、私達のマンションに送ってもらっても問題無い。



一式は此処で揃えられるだろう。



時祢はこくりと頷き、私の手を取った。

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