第2章 7話 ページ37
それに……。
ビスマルク「私は誓ったのだ。
シルヴィア殿下を護ると」
マリアンヌ様を護れなかった分も含め。
マリアンヌ様の代わりに護るなんて、シルヴィア殿下に失礼かもしれない。
それでも私は、この気持ちに嘘をつけない。
――だから私は。
――――
『……久しぶりに、ここに来たな』
俺はそう呟く。
ここ、とは政庁にある庭園である。
この庭園には花がいっぱい咲いており、アリエスの離宮にある庭園に似せられて作ってあるそう。
亡くなったクロヴィスが計画して作らせたのだ。
『クロヴィスが……』
そこで俺は口を閉ざす。
クロヴィスは、俺がブリタニアで目を覚ましてルルーシュたちのことを聞いた時、何を勘違いしたのか、エリア11の副総督となって一緒にエリア11を安定させよう。
そう言って来た。
正直、俺は平和な世界で暮らしたいと願っていた。
コードギアスの世界で平和に暮らすなんて、無理かもしれない。
それでも俺がいた世界は平和で、近い将来、戦争を仕掛けるブリタニアで生きていたかったのだ。
そんな俺が、ブリタニアの皇族に生まれてしまった。
俺は死にたくなどない。
もう死にたくない。
だから俺は、必死になってこの世界で生きるための知識を身に付けようと踏ん張った。
生きぬくために。
クロヴィスとは、あまり仲が良くない。
いや、嫌いなんだ俺は。
あいつの考え方が、嫌いで。
あいつは、俺が皇族と言うものに悩んでた時、言っていた。
-回想-
『……何で俺、皇族なんかに生まれたんだ!』
ガンッと握りしめた右手の拳を、木に打ち付ける。
そのため、右手からはポタポタと血が滴り落ちた。
クロヴィス「ん?
あれは……シルヴィア!?
大丈夫?」
ルルーシュとチェスをしに来たクロヴィスであったが、廊下を歩いていると窓からシルヴィアの姿が見え、駆け寄って来る。
クロヴィスはシルヴィアが怪我をしてることに気付き。
クロヴィス「痛そう……。
待ってて、今誰か呼んでくるから」
走って行こうとするクロヴィスを、俺は呼び止めた。
『待て!!
誰も呼ぶな』
クロヴィス「えっ。
でも、すごい血が出てるよ?」
俺は嘘をつく。
『痛くなどないから』
クロヴィスは単純に思っただけだった。
クロヴィス「それじゃあ、何処が痛いの?」
『……!』
その言葉が、今のシルヴィアに深く突き刺さる。
俯いた俺は、暫く間を空けて話した。
『……なぁ。
クロヴィスは、何で自分が皇族に生まれたか考えたこと、あるか?』
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シャドー(プロフ) - アオイさん» サイトは作成してないので、初投稿となりますよ〜。 (2015年11月18日 16時) (レス) id: 10bac06916 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - これって、ご自分のサイトで書かれていた小説ですか? (2015年8月11日 21時) (レス) id: 9f1015688c (このIDを非表示/違反報告)
シャドー(プロフ) - 綾女さん、メッセージありがとうございます! 綾女さんもコードギアスの小説を書かれているのですね。私の場合は、こういう展開が欲しいから無理でもこんな設定をねじこんじぇえとぶっこんでるだけです(笑) これからも、更新頑張ります (*^_^*) (2015年1月18日 10時) (レス) id: 10bac06916 (このIDを非表示/違反報告)
綾女(プロフ) - も〜最高にいけてます。私もプライベートでコードの小説を書いていますなが 、すごくしっかりした設定をお持ちで励みになりました。なんだか頑張れる気になりました。これからも投稿を楽しみです。 (2015年1月17日 20時) (レス) id: 8f58d3e450 (このIDを非表示/違反報告)
シャドー(プロフ) - 来美さん、メッセージありがとうございます! 更新、頑張ります (2014年12月22日 12時) (レス) id: 10bac06916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャドー | 作成日時:2014年6月6日 4時