コードギアス反逆のルルーシュ もう一人の皇女

第１章　10話 ページ12

-転生する前-

『ここは……何処だ？
俺は確か、黒猫を助けてトラックに轢かれたはず』

　とすれば、俺は死んだのか？

もしくは助かって、ここは病院？

望のその考えを打ち消すように、人の声が聞こえた。

？「答えは前者だよ。
七瀬 望、お前は死んだ」

　そう言って俺の前に現れたのは、白いフードを被った小学生だ。

声のトーンからして、男の子か？

？「誰が小学生だ！
俺はＥ.Ｅ.[イーツー]。
めんどくさいが、お前みたいな死亡者を異世界に送るのが俺の仕事でね」

　Ｅ.Ｅ.と名乗った少年に、俺は驚いた。

『Ｅ.Ｅ.!?
それって……コードギアスのＣ.Ｃ.やＶ.Ｖ.と同じ存在の名前？』

　コードギアスは、俺が好きなアニメの一つである。

コードギアスのゲームも、何個かやってた。

Ｅ.Ｅ.「名前だけだけどな。
俺には名前がなかったから、その名前を貰っただけだ。
……ゴホン！
話しが逸れたな。
まぁ簡単に言えば、俺がランダムでお前の転生先を決めるってことだ」

　……本当に簡単すぎる説明だな。

Ｅ.Ｅ.「そのほうが分かりやすいだろ？」

『そうだな。
……って、さっきから俺の心、読んでねぇ!?』

　今更だが、気付いた望。

Ｅ.Ｅ.「気にするな。
気にしたら、負けだぞ？」

『何に負けんだよ！』

　漫才化してきた２人。

Ｅ.Ｅ.「……さて、ダーツで決めるか」

『おおぉいい!!
ちょっと、待て〜い！』

　Ｅ.Ｅ.の言葉に、望は異議申し立てをする。

Ｅ.Ｅ.「何だよ？
こっちも、お前以外の死亡者を割り振りしないといけないんだから、時間取るなよ？」

　こいつの事情なんか、知るか！

『俺が言いたいのは、何で転生先をダーツで決めるかってことだよ！』

　Ｅ.Ｅ.は、さも当然のように答えた。

Ｅ.Ｅ.「暇つぶしに決まってるじゃん。
俺が担当する死亡者の振り分けは、お前だけじゃないんだぞ？
そんな特別扱いするわけないよ、普通は」

　暇つぶし。

Ｅ.Ｅ.が言ったその言葉に、俺は固まる。

『……何だよ、それ。
暇つぶし……？
人が1人、死んでんだぞ！
何で、そんな簡単に割り切れんだよ!!』

　俺は少々複雑な家庭で育った。

親父が借金を作ったせいで、悪徳金融が家に押し寄せ、親父はまだ幼かった俺の目の前で家に火をつけた。

俺自身も火傷を負い、いまだその傷は消えない。

母親は信じていた親父に裏切られ、首をくくった。

そのため、俺は小学３年生になる時から施設にいた。

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