いいとこどり。【山口忠】

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月曜日 朝


どうしよう、待ち合わせしないで来ちゃったよ。

Aと会うのが気まずくなった俺は、いつもの待ち合わせ場所に行かず、1人で学校へ向かっている。


『たっ、忠くん……！まっ、て！』

「え！？あ、A？」


振り返ると、息を切らしたAが。どうして。ツッキーと来ればいいのに。


『なんで今日いなかったのー？休みかと思って心配しちゃったよ』

「な、なんでよ……」

『ね、一緒に行こっ』


なんで俺なんかと。本当は一緒に行きたくないだろうに。ツッキーと行きたいはずなのに。

なんでそうやって、俺のところに来るのA。


「ツッキーと行けばいいじゃないか」

『何それーいつも蛍くんいるじゃん』

「そ、そうじゃなくて……ツッキーが好きなら、俺じゃなくてツッキーと行けばいいのにってことだよ」

『…………え？』


俺ものにしたい。他の男と一緒にいるAなんて、見たくない。けど、


「俺、2人を邪魔する気ないから」

『忠くん……っ』


Aが幸せなら、それでいいから。

俺はAを置いて、先に学校へ行った。

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