【カケ"フ°ロ】目をみはる話【二次創作】 (ページ7)

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第六話1/2 ページ7

「ドールの事だ。カノ、どう思う」
　キドが怖い声で話し掛けてくる。僕は、にへらっ、と笑って差し障りのない答えを返す。
「いやぁ、いい子だと思うよ？人形みたいってのはホントに思ったけどさ」

　俺は真剣に訊いていると云うのに、カノはいつもの軽口を叩く口調で話した。しかし、その言葉に少しの棘が混じっている。
　能力を使っていない時、こいつは、案外人を騙すのが下手だ。それすら演技だろうとも思わないでも無いが。
「本当に、そう思っているか？
例えば、もう一度何かが起こるんじゃあないかとか、思っているだろう？」

　キドに嫌な所があるとしたら、それは妙な観察眼だろう。僕は、自らの嘘を、しかしそれでも吐き通そうとする。
「そんな事ないよ。昔っから、キドは団員が増えると喜んでたでしょ？だから、僕だって喜びこそすれ、まさかドールちゃんを疑うなんてしないよ」

　俺は何も、カノがドールを疑っているなんて言っていない。ボロを出すのが早いのは、きっとわざとだろう。俺はさらに追及する。カノは、それを求めている。
「俺は何もドールが原因とは言っていないんだがな。さあ、どうだ？」

　やっぱり気付いたか。
　キドの鋭さに感嘆と敬意としてやったりという笑いとを持って、僕は渋々という体を取りながら喋った。

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