第四話 ページ5
「すまない。皆さんの事を私も知りたいのだが」
ドールが団員へ自己紹介を頼む。
No.0アヤノから順に、一人ずつ自己紹介していく。そして、
「今ここにはいないけど、セト君、ヒビヤ君、ヒヨリちゃんって子がいるよ」
という遥の一言で一通りの紹介が終わった。
「それじゃあ解散…っていうのもあんまりかな。歓迎会とか、する？」
アヤノが提案するが、ドールの反応は芳しくない。
「いや、私は…」
「何言ってるの！遊園地行こうよ！メカクシ団の通過儀礼だよ。ジェットコースターに乗って吐くまでがテンプレート…」
「てめぇカノ何言ってんだよ！」
カノとシンタローが言い合いをしだした。
「…まあ、いい案だと思うぞ。何やかんや、思い入れもある」
ドールは、それなら、と遊園地に行く事をお願いした。
「それならヒビヤ君とヒヨリちゃんも呼ばなくちゃ。僕が連絡しとくね。セト君は？」
「セトならコンビニの朝勤だな。俺から連絡する」
遥とキドを皮切りに、一斉に団内が活気づく。
「オレ、一旦家に戻って着替えてくるわ」
「あ、お兄ちゃん私もー」
「やっぱり僕、二人の事、迎えに行くね」
一頻り団員が喋り終わったのを見計らって、アヤノがこれからの行動をまとめる。
「シンタロー君、モモちゃん…それから、エネさんは家に戻る。
遥さんと…私が、楯山家に行く。ドールさんも是非一緒にどうぞ。
あ、マリーちゃん、どうする？」
急な問いかけにびくっとしながら、マリーが答える。
「私は…ドールちゃんと一緒に行きたい」
アヤノはにっこり笑って、言葉を続ける。
「わかった。
その他の人は、幸助…セトを迎えに行きながら、遊園地に向かう。
待ち合わせは入口ゲート1番の前。
これでいいかな？」
ああ、とかうん、とか、団員が銘々に返事をして、しばらくするとまずシンタロー・モモとスマホが出ていく。
それから、キド・カノが出ていき、最後にアヤノ・マリー・遥・ドールが残っていた。
アヤノが口を開く。
「ごめんね、慌ただしくて。遊園地も、嫌じゃないかな？何でも言って良いんだよ」
しかし、ドールは否定する。
「いいや、とても、楽しみだ」
ドールはそわそわとしている。それを周りも感じ取ったか、じゃあ、と玄関へ向かう。
「行こうか」
うん、と言うドールは明らかに喜んでいた。
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「いってらっしゃい」
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作者名：一夏 白 | 作成日時：2017年10月12日 7時
