第二十四話 ページ27
「マリーちゃんの所に行かなきゃッ!早く…はやく」
そして、控えめに叫ぶ。
もっと、わたしを責め立てても良いだろうに。そうしない所に、ああ良いヒトだなぁと勝手に考えていた。
ゆっくりと立ちながら、ハルカがそれに同意を示した。
「うん。僕も、そう思う」
その言葉に呼応するように、メカクシ団の団員は、次々と立ち上がり始めた。
モモとハルカを皮切りに、
アヤノが、
キドが、
セトが、
カノが、
シンタローが、
ヒビヤが。
そして座っているのはわたしだけになった。
団員の顔を見上げると、真夏の太陽に目が眩んだ。
「マリーは、何処にいる」
と、声が聞こえた。
誰のものかは不明瞭。
一人が言ったのかも知れないし、何人かが言ったのかも知れないし、全員が言ったのかも知れない。
わたしの中のドールが呟いたのかも知れなかった。…あいつ、マリーのこと気に入ってたもんなぁ。
「×××××学校」
短く告げる。
マリーの居場所、そして恐らく敵の本拠地。その、場所の名前を。
「行こう」
アヤノがそう言って、
わたしに手を差し延べた。
わたしは、その手を掴んで立ち上がる。
そして、陽炎立ち上る遊歩道を全員で歩き出した。
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作者名:一夏 白 | 作成日時:2017年10月12日 7時