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プロローグ・目が廻った話 ページ1
その日は随分と平凡で、当たり障りない１日だった＿＿＿
３０度くらいある炎天下の下、蝉が僕達の声をかき消すほど泣き喚いている。
夢を見たわけでもないのに、なんだろう……
確かに見覚えがあるんだ。
公園にいた君の影、君から逃げるように走っていった赤色の瞳の猫、その猫を追いかけていった君を轢きずっていったトラックを……。
君の名前を呼んだはずなのに、何故だろう……声が出ないんだ。いや、蝉のせいで聞こえないだけかもしれない。
でも、僕はまだ伝えたい事があるんだ。
初めて会ったあの日見せてくれた笑顔も、僕の名前を呼んでくれた元気な君の声も、全て……。
こう言ったら君は、気持ち悪がってもう答えてもくれないかもしれない。
でも僕は、君のことが＿＿＿
「＿＿＿初めて見た時から、好きだったんだ。」
続く
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作者名：栞 | 作成日時：2014年5月31日 20時
