コレクターアイズ ページ13
(エネside)
貴「はぁ…綺麗だね、エネの目は…」
うっとりとAさんがそう呟いた。
エ「えへへ、そんな〜!Aさんの方が素敵ですよ!」
ルビー色のガラス玉のような宝石眼。
Aさんは、ゲームの中ですら滅多に見ないような妖艶な瞳の持ち主だ。
貴「ふふ、ありがとね」
クスリとにこやかに笑顔を浮かべる。
自分が男だったら間違いなくイチコロだろうなぁ…とか思うレベルもの。
エ「んへへ、……って、あれ?もしかしてまたコレクション増えました??」
Aさんの後ろに並ぶコレクションの数々。
黒、黄色、薄栗色、薄ピンク…
それぞれのケースに入れられたそれらが鈍く光を帯びていた。
んーと、、、
エ「今度は黒が増えましたね!」
貴「ん、正解」
ケースを手にとってぎゅっと抱きしめる素振りを見せる。
黒のが増えたってことはもう3ペアあることになるけど…
それをいうなら薄ピンクのだって2ペアある。
前にどうして同じ色のものがあるのか聞いたら
「似てるけど全然違う」と深そうな言葉が返ってきた。
何が何だか私にはわからないけど…
Aさんコレクションのことになると目がないからなぁ…
エ「そういえばですけど、ここ3日くらいご主人のこと見てないんですよね〜」
スマホどころかPCすら電源が入ってない。
全くどこほっつき歩いてるんだか…
貴「そうなんだね。見かけたら声かけておくね」
おぉ、なんてお優しい!
エ「コレクションは次どの色がいいとかあるんですか?」
オレンジとか、紫とか?
色ならいろいろあると思いますし!
貴「そうだね…次は持ってない色がいいから…
“ 青 ”とかかな」
青…?
貴「エネの目って空色だよね」
にこ、と笑うその姿に
背筋に響くような不思議な感覚を覚えた。
fin
38人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ソラ | 作成日時:2022年7月9日 21時