歌い手の皆さんと一緒にシェアハウスに住むことになりました！2！！

60話 ページ22

志麻目線

おお…結構雨降ってきたなぁ。
天気予報でも言ってたけど…ここから雷も鳴って酷くなるんやなかったっけ。

志麻「そういえば…いつも聞いてこないのに、なんで皆にメールして皆の帰りなんか聞いたん？」

純粋になんでやろうなぁって思った。
でもいつになっても、顔を上げずにコトハは黙っていた。
心配になって顔を覗き込んだ。

志麻「コトハ？」

A「……え？」

覗き込んだ彼女の顔は、真っ青になっていた。
冷や汗みたいなのもかいていたし、涙目にもなっていた。

志麻「どうしたん！？熱でもあるんか？」

俺は、驚いて問いかけた。でもコトハは答えない。
熱ぐらいは測っとかないとな…。
そして俺が体温計を取ってこようと動いた瞬間…

A「ど、どこ行くの？」

涙目になって俺の服の裾を掴んできた。
可愛すぎるやろ…。

志麻「熱あるんかと思って、体温計を取りに行こうかな…と。」

A「…行かないで。」

と涙目で、俺を止める彼女。
可愛いからこのままでもいいけど…せめて理由ぐらいは聞いとかんとな。

志麻「どうしてか教えてくれへん？」

と彼女を出来るだけ怖がらせないように、問いかけた。
彼女は…涙目になりながらも答えたくれた。

A「……みなり。」

志麻「え？」

A「もうすぐ雷が鳴っちゃうから。僕、雷と大雨は無理なんだ…。」

と本当に泣きそうなか細い声で答えてくれた。
そうなのか。
きっと小さい頃のトラウマかなんかやろ。

志麻「教えてくれてありがとな。じゃあ、今日は俺とずっと一緒にいよか。」

俺がコトハの頭を撫でながら言うと…。
コトハは、コクリと頷いてくれた。
これで断られたりしたらどうしようかと思ったわw

A「皆何時頃に帰ってくるかなぁ…。」

コトハが小さい声で呟いたのがわかった。

志麻「多分この雨やからなぁ…。もしかしたら電車とか止まってるかもしれへんし、車とかも渋滞してると思うから帰ってくるのは遅いと思うよ？」

A「そ、そうなんだ。」

俺と2人っていうのはやっぱり不安かな…。
俺は気になってコトハに問いかけた。

志麻「やっぱり俺と2人だけだったら不安？」

返事はすぐに帰ってきた。

A「ううん。そんな訳ないよ！まーしぃが居るだけで心強いよ！」

と少し微笑みながら、答えを返してくれた。
ああ…この子は強いんやなぁと思った。
あれ？もしかして俺…この子の事。

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